カテゴリーフォーカス:日本酒、コロナ禍による巣ごもり消費が追い風奥行き、価格帯ともに広がり

ライター 石山 真紀
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大関、家飲み需要の拡大を受けて「辛丹波」「ワンカップ」などで新商品を多数投入

大関では、拡大する家飲み需要に対応するため、さまざまなテーマで生活者にアプローチ。「辛丹波」「ワンカップ」「レモンサワーの素」などのブランドから新商品を発売する。

「大関」商品のラインナップ

「辛丹波」から純米酒タイプ、カレーと楽しめる日本酒が発売

 大関は2020年下期の販売戦略について、新型コロナウイルスの影響により巣ごもり消費が拡大する中、「家飲みの増加」「オンライン飲み会の増加」「お家時間を楽しみたい」「ゆっくり飲んでほろ酔いになりたい」といった世相から予測されるインサイトを導き出した。そこからさまざまなテーマを定めた後、新商品を含めた同社の商品群を当てはめて販売を強化していく。

 まず、ブランドとして注目したいのが同社の辛口日本酒「辛丹波」から発売される「辛丹波 純米酒」だ。発売から30年以上の長い歴史を持つ「辛丹波」は本醸造をはじめとして、にごり、生貯蔵と、時代に合わせて商品のバリエーションを増やしてきた。

 今期は味わいの方向性はそのままに、純米酒好きのユーザーも楽しめる辛口の「純米酒」を開発。兵庫県産米を100%使用し、麹米として山田錦を使用した。すっきりと軽快な飲み口で食事にも合わせやすい。

 次の商品は「食マッチ」シリーズの第3弾となる、「カレーと楽しむ純米酒」。同シリーズは上期に「唐揚げと楽しむ大吟醸」「チーズと楽しむ純米大吟醸」を発売しており、意外な食品とのペアリングを提案するブランドとして注目されている。

 「カレーと楽しむ純米酒」は、江崎グリコとの協業で誕生した商品で、同社の「プレミアム熟カレー(中辛)」に合うよう設計されており、売場でのクロスMDも期待できる。「カレーと楽しむ純米酒」は後味のキレが特長で、カレーのコクや旨味を生かしつつ、後味のスパイス感をウォッシュすることで、カレーと日本酒の新しい楽しみ方を提案する。

 また、定番の「のものも」は環境に配慮した新紙パックを採用。数量限定の「蔵元しぼりたて香り仕立て」は旬の素材そのものの味わいを引きたてる、フルーティーかつすっきりとした味わいで秋冬の料理に合わせやすい。

人気漫画「キングダム」コラボ上撰ワンカップ発売

 今秋は同社を代表する商品「上撰ワンカップ」が、大人気コンテンツ「キングダム」とコラボレーション。キングダムのテーマである「挑戦」をキーワードに、ビジネスパーソンの挑戦を応援する商品となっている。パッケージには「キングダム」の人気キャラクター5名がデザインされ、裏ラベルにはキャラクターのプロフィール紹介とともにビジネスリーダー診断を記載した仕掛けも用意されている。

 近年、若年層に人気のにごり酒カテゴリーでも新商品を発売する。「純米にごり酒夢見るひつじ」は、きめ細かでとろっとした口当たりと、米由来の上品で優しい甘さが特長の純米にごり酒。パッケージは若い世代を意識し、米の形を羊に見立てた絵本のようなかわいらしいデザインとなっている。

 最後に紹介するのが絶好調の「わが家のレモンサワーの素」の大容量パックだ。炭酸で割るだけで本格的な居酒屋の味が自宅で手軽に楽しめると、多くのユーザーから好評を得ており、大容量を望む声もあったことから1.8Lサイズを発売。レモンサワーをアレンジしたり、濃さを変えることで何杯も飲みたいユーザーにもおすすめの商品となっている。大関では家飲み需要の高まりを受け、多彩な商品展開で日本酒市場の活性化に貢献していきたいとしている。

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