なぜあの商品は何度も買われるのか?お客様をつかむ「習慣インサイト」の見つけ方

博報堂 ヒット習慣メーカーズ
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 複数の情報源で情報を集めることで、兆し習慣への理解は深まっていきます。しかし、それだけでは習慣インサイトにたどり着きません。習慣を実践する「N=1(1人ひとり)」について、ここでも「時系列」を意識して徹底的に観察しましょう。

 ニュースやSNSには、習慣を続ける本質的な理由=習慣インサイトは、言語化されていません。だから、観察して自分なりに推測するしかないのです。かといって、いつ、どこで習慣が実践されているかという情報だけでは、本質的な理由を解き明かすことは難しいです。だから、「1人ひとり」がなぜその習慣を続けているのかを「時系列」で観察することが、最善の方法だと考えます。

なぜ「時系列」で追うことが必要なのか

 では、「時系列」で観察するとはどういうことでしょうか?

 習慣は結婚をしたり、就職したり、何かしらのきっかけでスイッチするもの。つまり、習慣を時系列で見ると、なぜその人が習慣をはじめるようになったのかが、浮き彫りになってきます。また、習慣を行う前後にも、きっかけがあったり、ご褒美があったりします。

 土日の午前中にジョギングをして、その後お昼にビールを飲む人もいるでしょう。習慣の前後には、影響を及ぼしている重要な要素が隠れているのです。だから、ある商品を買った理由であれば、値段や商品特徴のどの要素かがわかれば十分ですが、習慣を続けている本質的な理由は、「時系列」を意識して観察する必要があるのです。

 例えば、糖質オフを続けている人をSNSで観察する場合を考えてみます。SNSでの糖質オフに関する投稿をただ眺めているだけでは、いつ、どのような人が実践しているかといった情報までしか得られません。そこで、糖質オフを実践するある1人の男性のタイムラインを追いかけてみます。すると、どうやら恋人に太っていると指摘されたのをきっかけに、糖質オフをはじめたことがわかってきました。糖質オフを続けると、脂肪が減り、これまで埋もれていた筋肉がうっすら見えてきたことで、恋人に褒められたようです。このように、「時系列」で観察すると、習慣をはじめたきっかけややりがいが浮き彫りになり、習慣インサイトが見えてきます。 「N=1」観察

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