名脇役から堂々の主役へ日本独自のスタイルで発展!=連載:深掘りすれば見えてくる!「ギョーザ」コロナ禍に打ち克つ食!

2020/05/29 11:30
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

 焼きギョーザ? それとも水ギョーザ? 餡に入れるのは? 付けるタレは何を使う? 具材から調理法まで、こだわりが強く現れるギョーザ。自らの好みについて語り出したら止まらない人も少なくないようだ。「ギョーザの町日本一」をめぐるバトルも毎年熾烈を極めているが、なぜ私たち日本人はここまでギョーザに熱くなれるのか? そこで今回は、外食、中食、内食でおなじみの「ギョーザ」にスポットを当てる。

深掘りすれば見えてくる 餃子編

 中国に起源をもち、日本に伝来してからは本場とは異なるかたちで普及したギョーザ。とくにこの10年は、外食産業におけるギョーザのポジショニングが大きく変わったという。ギョーザに詳しい「東京餃子 通信」編集長の塚田亮一氏に話を伺った。 

本場を凌ぐ種類と食べ方ごはんのおかずとして進化

東京餃子通信編集長 塚田亮一氏
「東京餃子通信」編集長 塚田亮一氏

 飲食店はもちろん、スーパーで購入する 冷凍餃子なども含めて年間300回以上、ギョーザを食べるという塚田氏。子供の頃、家族でギョーザを手づくりし、ホットプレートで焼いた家族団らんがギョーザ好きの原点だ。好きが高じて食べ歩きを始めたのは、10年ほど前から。今でこそ、グルメサイトでカテゴリー検索ができるが、当時はギョーザ専門店が少なく、店探しは苦労したという。ちょうどその頃、Twitterが世の中に登場し、webメディアの仕事をしていた塚田氏はTwitterを使って、食べ歩きの模様を投稿。すると、同じギョーザ好きの人たちから続々と情報が寄せられ 情報交換することに。おかげで食べ歩きがますます楽しいものになり、せっかくなら記録として残そうと2010年にブログをスタート。それが「東京餃子通信」だ。現在、大阪担当のスタッフとともに、本業の傍ら、ほぼ毎日全国のギョーザ情報を発信している。その記事数、延べ2,000本以上。今やギョーザの専門家として、さまざまなメディアにも登場、ギョーザのさらなる普及に取り組んでいる。

 塚田氏によれば、ギョーザが日本の食生活に定着したのは第二次世界大戦後、満洲(現在の中国東北部)から引き揚げてきた人たちが、現地で食べていたギョーザを懐かしみ、その味を再現して闇市などで売ったことに端を発する。戦前にもギョーザは存在したようだが、定着という点では戦後以降だ。世の中が混沌としていた中、簡単につくれておいしいギョーザはたちまち受け入れられ、人気を博した。

焼きギョーザ
日本では焼きギョーザが一般的

 日本ではギョーザといえば焼きギョーザを思い浮かべるが、本場中国では水ギョーザや蒸しギョーザが一般的だ。主食として食べられることが多く、麺類の一種のようなとらえ方である。焼きギョーザもないわけではないが、残った水ギョーザを焼いたものや、「鍋貼 (グオティエ)」と呼ばれる棒ギョーザ型のものだ。その名のとおり、大きな鉄鍋に貼り付けるようにして焼き、屋台などで売られている。

 起源は中国にあるものの、なぜ日本では水ギョーザよりも焼きギョーザが受け入れられたのか?種類も食べ方も本場を圧倒的に凌ぐ幅の広さだ。

 「おそらく“ごはんのおかず”というポジションだったからではないでしょうか。ごはんに合うようにどんどんアレンジしていったことで、中国とは異なるかたちで発展していったのだと思います」(塚田氏)

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