キリン本搾りTM チューハイ  本物感を伝えるためにパッケージを一新!=連載:深掘りすれば見えてくる「チューハイ編」

室作幸江(ライター)
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「本搾りTM」の強みをよりわかりやすく訴求

これまでのパッケージ

 「これまでのパッケージデザインに関してお客さま調査などを行いましたが、決定的な欠陥はありませんでした。ただ、知っている人には受け入れられているものの、店頭で競合品と比べるとおとなしい存在。もしかすると、新しいお客さまには“見えていなかった”のではないか? もちろん、既存のお客さまの中には『これがいい!』という声もあります。そこで、劇的に何かを変えるというよりは、お客さまに何を伝えたいのか? そこに集中し、『本搾りTM』ならではの魅力を堂々と伝えるデザインに刷新しました」(原田氏)。

 具体的には、まず「本搾りTM」のロゴマークを大きく太く、斜体から正体に変えて主張力を高めた。合わせて、果実の断面のビジュアルを大きく入れて、「本物の果汁感があるチューハイ」という魅力をアピールした。さらに、左肩のアイコンには「果汁とお酒だけ 無添加」を入れ、「本搾りTM」の強みを強調。アイコンカラーを緑に統一した。これにより、ブランドとしての統一感が生まれ、店頭での「本搾りTM」ブランドの存在感がアップを狙う。今後、期間限定品も同様のデザインで投入していく考えだ。

 プロモーションについては、引き続き、本質的な価値を伝えることをミッションとして展開していくと原田氏は話す。

 「『本搾りTM』は果汁とお酒だけでつくられた缶チューハイ。言ってみれば、農作物とお酒です。農作物の出来が悪ければ、おいしいお酒はできません。だからこそ素材をとことん厳選します。味を決めるのは、果実しかありませんから。そういう点はワインと似ているかもしれません。缶チューハイに対して障壁のある人や本物を求める人にも応えられるのが『本搾りTM』です。そんな“本物感”をしっかりと伝えていきたいと考えています」(原田氏)。

 5月には新たにライムが通年品で仲間入りする予定だという。2020年は「本搾りTM」ブランドにとって大きな成長が期待できる年になりそうだ。

リニューアルのポイント

●ロゴマークを大きく太く、斜体から正体に変えた
●果実の断面のビジュアルを大きく入れて果汁感をアピール
●左肩のアイコンに「果汁とお酒だけ 無添加」を入れて強みを強調
●左肩のアイコンカラーを緑に統一。ブランドとしての統一感を出した
●右肩に「新!」マークを入れて、リニューアルしたことを訴求

2020年のキービジュアル。「ちゃんと搾った、本物のおいしさ。」という最大の魅力をシンプルかつストレートに表現
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