ハイポネックスジャパンは、2020 年春商戦向けの新商品として、優れたコストパフォーマンスを発揮する液体肥料「ハイポネックス専用液肥」6 品と、厳しい環境にも負けない植物に育てる新分野の資材「ストレスブロック」を発売する。
いずれも従来にないユニークな特長があり、新たな顧客層の獲得もねらえる商材として注目度が高まりそうだ。
手軽に園芸を楽しめる専用液肥おしゃれで上品なデザイン
2020年2月、ハイポネックスジャパンが新たに販売する商品の1つは「ハイポネックス専用液肥」。「観葉植物」「洋ラン」「野菜」「バラ」「芝生」といった各種植物専用に加え、「開花促進」機能を持つ液体肥料の計6アイテムを揃える。
同社の代表的な商品には、ロングセラー商品の「ハイポネックス原液」がある。多様な植物を手軽に育てられる液肥として、ユーザーから長年高い評価を得ている。
そうしたなかで、各種植物に特化した商品を開発した背景とねらいについて、同社取締役家庭園芸部長の桑田真也氏は、次のように説明する。
「家庭園芸を趣味とする方の中には、特定の植物だけを育てている人も多くいらっしゃいます。今回、それぞれの栽培に適した専用の液肥を開発することで、より手軽に園芸を楽しんでもらいたいと考えました」。
6アイテムあるうち、「ハイポネックス専用液肥 観葉植物」には、ビタミン類やトレハロースを配合。チッソやリンサン、カリといった栄養素は、ポトスやベンジャミン、パキラなどの観葉植物が効果的に生育できる割合で入れている。
葉面からも吸収されやすい速効性のチッソを含んでいるため緑が鮮やかになる。
「洋ラン」も同様に植物に合わせた配合を行っており、美しく大きな花を咲かせ、開花に不可欠な株の充実にも優れた効果を持つ。「開花促進」は、花芽形成期に使用し、花を多く咲かせることに特化した商品で、「バラ」「洋ラン」などと併用することも可能。
いずれの商品も1滴に高濃度の養分を配合しており、素早く効果を発揮する特長を持つその名のとおり高品質な液肥である。
その品質に加えて、注目は容器のデザインだ。ベースカラーはパールホワイトで、そこへ「Top Quality」のロゴとともに、それぞれ洋ラン、バラ、芝生などの美しいイラストをあしらっており、これまでの肥料にはないおしゃれな外観に仕上がっている。シャンプーやリンスなどの美容関連商品のように見える点もユニークだ。
商談を進めているなか、ホームセンター(HC)企業の仕入れ担当者からも、「売場に陳列すると目立つ」「上品なイメージ」と好評を得ているという。
「女性受けもしそう」とあり、新たな顧客層の獲得も期待できそうだ。
肥料、農薬に次ぐ新分野の資材欧州で着実に市場を拡大
来春新発売するもう1つの商品がバイオスティミュラント資材の「ストレスブロック」である。
まだあまり耳なじみのない言葉だが、バイオスティミュラント(Biostimulant)とは直訳すると「生物刺激剤」。高温、低温、乾燥、多湿、日照不足といった環境からのストレスを軽減し、植物が本来持っている抵抗力や免疫力を引き出す新分野の資材である。
同社技術開発部研究開発センターの平尾浩介氏は、「栄養を補うのが肥料で、害虫駆除や病気を治すために使うのが農薬です。このバイオスティミュラントは、それらとはまったく異なるアプローチで植物を元気にする、いわば新分野の資材といえます。ヨーロッパでは認められつつあり、市場も着実に伸長しています」と語る。
「ストレスブロック」を野菜や花に使用すると、収穫量、品質などが向上するなど、高い効果を得られる。たとえば、冬期に行ったレタスの栽培試験。肥料や農薬だけを与えた場合と比較し、同商品を使用したレタスは収穫量が62%増えたほか、葉の色も鮮やかになった。また大玉トマトでも、未使用のものの平均糖度は6・0だったのに対し、使用したものは7・1と好成績を得た。
また、これらは植物に対してだけでなく土壌にもよい影響を与える。土壌微生物を活性化するほか、通気性や保水力を高める効果がある。
さらに原料は、てんさい廃糖蜜、小麦糖蜜、大麦糖蜜、とうもろこし糖蜜といった天然由来であるため、有機JAS規格別表1適合資材であることも特筆すべき特長で、今後、日本でも需要拡大が見込めるだろう。
人気タレントをキャラクターに起用効果的な売場を提案
同社では、来春のガーデニングシーズンに向けて、今回紹介したような魅力的な新商品を投じるだけでなく、販売促進策にも力を入れる。HC企業の売場をサポートするような各種施策も積極的に行う計画だ。
今夏、主力商品の「ハイポネックス原液」のCMキャラクターに起用したのはタレントの「ANZEN漫才」の2人。そのうち、みやぞんは園芸店で数年間、勤務した経験があるほか、相方のあらぽんも趣味でひょうたんを栽培しているという。そういった経歴やプロフィールを受け、同社では看板商品のキャラクターとして適役だと判断した。
園芸に親和性の高い人気タレントを起用することにより、企業の信用度を上げ、老若男女を問わず、幅広い顧客層に商品を手に取ってもらいたいというねらいがある。
同社は来春の商戦に向け、2人が出演するテレビCMを国内の主要地域において展開する予定だ。また今後も、HCでは2人の写真を掲載したトップボードやスイングPOPなどを添えた売場づくりで、ガーデニング売場の活性化を図りたい考えだ。
来年2月に発売する新商品についても、各HC企業に対して効果的な売場づくりや価値訴求ツールを用意する予定だ。「ハイポネックス専用液肥」は、肥料の定番売場での露出度を高めるほか、植物売場での関連販売も提案していく。「ストレスブロック」については、新分野の商品であるため、WEBでの展開を含め、特長や効果を説明する情報発信にも力を入れる。
桑田氏は「競争力のある商品開発に力を入れることで、HC企業さまの売上拡大にも貢献していきたいと思います」と話している。