濃厚な味わいのしぼりたて生原酒をリキャップ可能なアルミ缶ボトルで展開
菊水酒造の生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」は、フレッシュでフルーティな旨口の生原酒。リキャップできるアルミ素材の500mlボトルを採用したことで、既存ユーザーの掘り起こしに成功している。
紫外線をシャットアウトできるアルミ缶ボトルを採用
1972年11月に発売された生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」は、日本で初めて生原酒を缶容器で商品化した日本酒のロングセラーブランドだ。日本酒の仕込みにおいて発酵を終えたもろみを清酒と酒粕に分離する道具を酒槽(ふね)と呼んでおり、この酒槽の口から流れ出る清酒を同社では「ふなぐち」と呼んでいる。加熱処理や割水をしていない、酒本来の味わいを味わえるしぼったままの生原酒であることから、「ふなぐち」というブランド名が誕生した。
生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」は厳選した新潟県産米を100%使用。フレッシュな果実のような香りと、コクのあるしっかりとした旨みが特徴となっている。発売以来、食卓での晩酌から、旅先やアウトドアまで、どんな場所でも楽しめるしぼりたての生原酒として多数のファンを獲得、2017年には200ml缶の累計出荷量が3億本を突破。ダウントレンドともいわれる清酒市場の中でも堅調に推移しており、SNS上では「コンビニ最強酒」とも称され、40~60代のロイヤルユーザーに愛飲されている。
生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」は、日本酒の容器・パッケージ開発の点でも大きな特徴を持つ。日本酒の容器はガラス瓶が主流だが、瓶自体の重さや飲用後のごみ問題から近年は敬遠される傾向にある。菊水酒造では、業界に先駆けてアルミ缶やスマートパウチといった容器を次々と採用。とくにアルミ缶は日本酒の大敵である紫外線をシャットアウトし、酒の劣化を防ぐため、生原酒本来のおいしさと風味をキープすることができる。
限定商品のスパークリングも販売エリアを拡大
19年3月に発売された生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり500ml缶」は、リキャップが可能な500mlのアルミ缶を採用している。それまで1Lの缶タイプを販売していたが、缶容器メーカーの製造終了を機に、保存しやすいキャップ付き500mlアルミ缶への切り替えを決めた。
それまで販売していた1L缶は大容量ユーザーに支えられていたが、500ml缶の発売を機に、ユーザーがスライドし購買頻度が増加。また、200ml缶を購入していたユーザーも500ml缶を購入しており、買い上げ点数の向上や単価アップにつながっている。店頭施策として200ml缶と500ml缶を並べて陳列することで売場での存在感を高めるほか、POPなどの販促ツールも用意している。
また、新たな取り組みとして、シリーズ初となるスパークリング生原酒「ふなぐち菊水一番しぼりスパークリング」を6月から新潟県で先行販売。「ふなぐち菊水一番しぼり」に炭酸をプラスし、しぼりたての生原酒ならではのフルーティなおいしさはそのままに、さわやかな旨みがはじける味わいとなっている。好評な結果を受けて、今後は販売エリアを拡大し、全国で順次展開していく予定だ。
同社では時代に合わせた容器の開発により利便性を高め、いつでも気軽に楽しめる「ふなぐち菊水一番しぼり」のブランド価値向上につなげていきたいと話している。