ドリンクヨーグルト市場、コロナ特需の反動で前年割れが続くが22年6月以降は回復基調

ライター:山田陽美
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2021年のドリンクヨーグルト市場は、コロナ特需の反動で前年割れとなったが、22年は徐々に需要が戻りつつある。機能を明確にした機能性ヨーグルトに加え、おいしさを訴求した商品が支持されている。ドリンクタイプの手軽さで、さまざまなシーンでの飲用を促進したいところだ。

機能を明確にした商品が各社から続々

 KSP-POSデータのドリンクヨーグルトの期間通算(2021年10月~22年9月)の金額PIは、8176円で対前年同期比7.4%減。月別金額PIでは、すべての月で前年割れとなっており、とくに10月~5月まで大きく前年を割り、2ケタ減の月もみられる。コロナ禍では内食需要の拡大で、大容量や多本パックなどのファミリーユース商品が好調だったが、21年下期以降はその反動で前年割れとなった。また、機能性ヨーグルトも苦戦している。日々の体調管理や体型維持などニーズが多様化し、ヨーグルトユーザーがほかのカテゴリーに流出したことが予想される。6月以降はほぼ前年並みで推移していることから、回復基調にあることがうかがえる。

ドリンクヨーグルトのイメージ
機能を明確にした機能性ヨーグルトに加え、おいしさを訴求した商品が支持されている。(i-stock/Fascinadora)

 各社では機能性を明確にした商品を続々投入している。森永乳業では「ビヒダスヨーグルト便通改善」を発売。便秘気味の人の便通を改善する機能性表示食品のヨーグルトで、続けることでその効果を実感できることからリピート購入につながっている。今年9月には甘さひかえめですっきりした味わいの〈脂肪ゼロ〉タイプをラインアップした。同社ではそのほかにも、血圧、血糖値、中性脂肪の3つの機能性について表示した「トリプルヨーグルト」や、加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力を維持する機能性表示食品の「メモリービフィズス 記憶対策ヨーグルト」、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する機能性表示食品の「ビヒダスヨーグルトKF」などを展開している。

 明治では、肥満気味の人のお腹の脂肪を減らす機能を持ったMI-2乳酸菌を使用した機能性表示食品の「明治脂肪対策ヨーグルト」を11月に新発売。体の内側から体型維持をサポートする、従来の商品とは差別化されたヨーグルトでターゲットに向けて訴求していく。

 小岩井乳業では、独自素材プラズマ乳酸菌を配合した免疫機能の機能性表示食品「小岩井iMUSEドリンクヨーグルト」を展開している。機能性表示食品を取得することで機能を明確に訴求できることから、ターゲットに刺さりやすいようだ。

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