「痛color’s Yellow」どのキャラ描く?痛ネイル専門店も登場し、国内外からも集客

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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 爪の形をきれいに整え、フレンチネイルにしたり、ラインストーンをあしらったり。指先を美しくしてくれるネイルサロンで、昨今、人気上昇中なのが「痛ネイル」だ。

 “痛い”とは、世間の感覚からちょっとズレた感覚や行動を意味する、一種の俗語と言える。以前は、そういう人をからかうニュアンスがあったが、最近は、周囲の目を気にせずに、身の回りのあらゆるものを自分が好きなもので揃えるなど“痛い”ことを前向きに肯定している感もあり、自動車やカーテン、印鑑などに漫画やアニメ、ゲームのキャラクターなどを施した「痛車(イタシャ)」「痛カーテン」「痛印鑑」などが注目されている。

「痛ネイル」は、そのような流れの中でムーブメントを起こしていて、「オタク市場は男性向けの商品やサービスが多いが、痛ネイルは、女性が楽しめるオタク消費として注目されたようだ」と説明するのは、東京・秋葉原の痛ネイル専門店「痛color’s Yellow」スタッフの志村麻奈貴さん。

 2012年12月にオープンした同店は、ドン・キホーテ秋葉原店の1階エントランスすぐのスペースに、2席の施術席を設けている。連日、予約でいっぱいになることが多く、東京都内だけではなく、秋葉原に観光や買い物で訪れた際に立ち寄る人も目立つ。海外からの観光客も少なくない。

「新世紀エヴァンゲリオン」や「風の谷のナウシカ」「ジョジョの奇妙な冒険」「黒子のバスケ」などの漫画、アニメの登場人物や、名台詞がもちろん、なかには、電車の車両や、目玉焼きやトーストといった、朝食を描いてほしいというユニークなリクエストもあるという。

 一部のマニアックな人向けのようにも思われるが、ディズニーキャラクター、「くまモン」などのゆるキャラ、K-POPアイドル、韓流スターの似顔絵などをネイルにしてほしいという要望も目立ち、幅広い層からの関心を集めていることがわかる。

 同店では、細かい作業を得意とするネイリストや美大出身のネイリストが常駐し、基本的にジェルネイルにアクリル絵具で絵柄を描く。手の込んだものだと、1本仕上げるのに30分かかる場合もあるので、予約の段階でどのような絵柄で、何本の爪に施したいのかを確認し、どの程度の時間がかかるのかを予測しているという。そのため、通常のネイルサロンは、施術内容で価格が異なるのに対し、同店の場合は時間課金制となっていて、10分1000円。つけ爪への施術も可能だ。

 専門店をうたっていないネイルサロンでも、いろいろなキャラクターを描く技術を持ったスタッフがいれば痛ネイルに対応しているところもあり、今後も需要が増えることは予想に難くない。ネイルコーナーを併設したDgSにとっても、要チェックのトレンドだ。

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