「濃厚&とろける」がキーワード? 「バスチー」以降のチーズケーキのトレンドを振り返り!

フードライター:笹木理恵
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注目!「サステナブル」なチーズケーキ

 最後に、消費行動を決める際の新たな指針として近年急速に浸透しつつある「サステナブル」や「エシカル」といった要素を取り入れたチーズケーキも紹介したい。2021年2月にオンラインで発売され、すぐに入手困難なチーズケーキとして話題となった北海道生まれの「チーズワンダー」だ。

毎週即完売の「チーズワンダー」 ※画像提供/ユートピアアグリカルチャー

 北海道・札幌のお菓子ブランド「きのとや」のグループ企業であるユートピアアグリカルチャーが新しく立ち上げたブランドで、最大の特徴は、自社牧場で採れた放牧牛乳を使っている点。牧場の運営には、環境負荷を抑えながら運営する「リジェネレイティブアグリカルチャー(再生型農業)」の手法を取り入れるほか、都市部に近い場所で、森林を再生させながら放牧酪農・養鶏を行なう実験プロジェクトも始動している。

 こうしたサステナブルな取り組みのみならず、「チーズワンダー」はその味づくりにも新しさがある。「冷凍配送」であることを逆手にとり、冷凍状態だからこそ可能な風味や食感にこだわった結果、チーズスフレの部分を火入れせずにクッキーと重ねることで、フレッシュなチーズの風味やなめらかな口どけを実現させたのだ。

 今回は、お取り寄せやコンビニのチーズケーキを中心に紹介したが、個人のパティスリーのチーズケーキにも、その時々でトレンドの味づくりが垣間見える。とりわけ「食感」と「香り」は、これからもはずせないキーワードになりそうだ。

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