「海苔」が主役!? 京都寺町に登場した、風変わりなおにぎり専門店の正体
海苔は「贈答用でしか味わえないような、最上級のおいしさ」
壁際のカウンター席を確保、早速いただくことにする。
最初に手を伸ばしたのは「焼きさば」である。お姉さんのアドバイスに従い、備え付けの電子レンジで20秒間、加熱する。それをショップが推奨する海苔に乗せ、優しく包む。
この海苔は有明海産の焼き海苔だそうで、リーフレットには「やわらく、うまみが強い」とある。また、店で提供される海苔はいずれも「贈答用でしか味わえないような、最上級のおいしさ」とも書かれていた。これは期待できるぞ。
そして一口頬張る。うん、おいしい。
具材の焼きさばはもちろんだが、一粒一粒がしっかり立っている絶妙の炊き加減、硬さのご飯が気に入った。米は京都府丹波産コシヒカリ100%、塩は「淡路島産の藻塩」と、どれもこだわりがあるようだ。
私の知人に変わった経歴のカメラマンがいる。東京の中央市場が築地にあった時、海苔問屋の従業員として働いていた。その彼がある時、「海苔のおいしさは、産地、一番に摘んだものかどうか、加工法などによって異なり、よい状態のものは香り、色艶、何より食感が違うのだ」と、力説していたのを、おにぎりを食べながら思い出した。
「焼きさば」を完食した後、続けて「男梅むすび」、最後は「たこ飯」で〆た。それぞれ風味、味が違う有明海産の味付け海苔、瀬戸内海産の焼き海苔で包んで。ちなみに「男梅むすび」は、ノーベル製菓の人気ブランド「男梅」とコラボした限定商品である。大阪の企業同士、いろいろ作戦を練っているようだ。
どれも美味だった。これほど海苔に集中しておにぎりを食べたのは初めての体験である。海苔なんてどれも同じだと思っていたが、それぞれ個性があり、本物は別格だとわかった。
みなさんも機会があれば、京都のおにぎり専門店で主役の「海苔」を味わってみてはどうだろうか。
森本守人の 京都、これ知ったはります? の新着記事
-
2024/07/05
知る人ぞ知るスーパーマーケットの聖地、 福岡・小倉の旦過市場を歩く -
2024/06/28
圧倒的な◯◯に注目! 京都・北野天満宮近くで食す、変わり種うどん -
2024/05/17
行列覚悟!京都を代表する屈指の人気ラーメン店「本家第一旭」 -
2024/03/15
京都の眺望を楽しみながら味わう本格中華、好立地なのにリーズナブルな理由は? -
2024/02/16
洋館が建ち並ぶ大人の街、京都・烏丸御池 老舗人気店で「かきごはん」を食す -
2024/01/19
お客の大半は外国人! 京都・烏丸、夜にだけ行列ができる飲食店の謎
この連載の一覧はこちら [27記事]
関連記事ランキング
- 2024-09-06フレンドマート長浜祇園店、建て替えで集客力を強化、DSとDgSに対抗するMDを導入
- 2024-08-31総菜SPAが一気に進んだ理由と、対コンビニの新たな潮流とは
- 2024-08-30職人品質のコモディティ化で進めるトライアルの総菜SPA戦略
- 2024-02-26ヤオコー、サミット、ベルク、マミーの総菜調査で判明!3つの新潮流とは
- 2024-09-28国内総菜市場は約11 兆円に!総菜専門店市場規模&市場占有率2024
- 2021-11-04安いだけじゃない! 進化する「スーパーセンタートライアル」の総菜
- 2022-04-27食品スーパーが2022年、PBと総菜に力を入れる事情と「総菜復活」への懸念とは
- 2022-07-25クロワッサンに生ハムメロン? 横浜市初出店「ヤオコー横浜磯子店」にみる総菜開発の幅広さ
- 2024-08-28イトーヨーカ堂の命運握る「総菜SPA 戦略」と戦略拠点の全貌とは
- 2024-08-29企画・調達・開発・設計・生産を自前で管理する西友の総菜SPA戦略