男性からも支持される基礎化粧品はこう作る! 無印良品「クリアケアシリーズ」開発秘話!

リテールライター:崔順踊
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化粧品づくりに生かされる無印良品のこだわりとは

 今回のリニューアルに伴い、クリアケアシリーズではボトルカラーを変更、以前からも青を基調としていたが、シックで落ち着いた印象のより深い青にすることで、マスクによる肌荒れやニキビを沈静化するようなイメージを表現している。

売場に並ぶクリアケアシリーズ。青いボトルが目を引く

 開発では、他シリーズと比べて売上のボリュームが少なかったということもあって、シリーズの“顔”、核となる商品をつくることを念頭に置いたという。そこで開発されたのが、「クリアケア薬用拭き取りローション」だ。

新たに投入されたクリアケア薬用拭き取りローション

 手軽にふき取るだけで肌のケアができる同商品は、洗顔代わりに朝使うなど、さまざまな使い方ができる。以前も、同シリーズで「拭き取り化粧水」をラインナップしていたものの、今回投入した商品は「薬用」とすることで悩み改善に寄与する成分を強化しているのが特徴となっている。

 開発でこだわったのは、アルコールフリーとしながらも、さっぱりとした使用感を維持するという点だ。そうした使用感を実現するため、保湿剤を変更したり、肌馴染みがよい原料を使用したりなどの工夫を凝らしたという。また、「肌への優しさ」にもこだわっており、アルコールフリー以外にもパラベンフリー、鉱物油や合成香料を不使用としている。

 そのほか「使用時の気持ちよさ」という点では100%天然のエッセンシャルオイルで香りづけをしている。容量も300mlと一般的な化粧水としてはやや多めとしており、「少しずつではなく毎日たっぷりと使える」というコストパフォーマンスも追求しているのも特徴の1つだ。

 ちなみに、無印良品のスキンケア商品に使用されている水は、すべて飲料水としても利用されている岩手県釜石市の天然水となっている。精製水ではなく、自然にろ過された天然水を使用した化粧水は非常に珍しいという。「飲んでもおいしいものを肌に取り入れたい」という発売当時からの同社のこだわりが、今回のリニューアルでも貫かれている。

ライブコマースによるプロモーションを展開!

 発売後、新商品の「クリアケア薬用拭き取りローション」は現在、同シリーズの売れ筋となっている。プロモーションにおいてもクリアケアシリーズを強く打ち出していることも奏功してシリーズ全体の売行きも好調だという。

 今回のリニューアルと同時に新しい取り組みとして行ったのが、発売当日のライブコマースによる商品紹介だ。通常、無印良品のプロモーションは店頭がメインになることが多いが、今回はライブコマースを実施するほか、オンラインストアのトップにもバナーを掲載するなど、オンライン・オフライン双方で積極的にプロモーションを展開した。

 ライブコマースでは、化粧品の開発担当者と「無印良品 銀座」の店舗スタッフが出演し、使い方や商品の特徴をアピール。こうした取り組みにより、リニューアル後のクリアケアシリーズはオンラインでも売れ行きが好調だという。

 今後の商品開発について、中野氏は「ニキビケアをはじめ、若年層の方が抱える肌悩みに対応する商品に挑戦したい」と話す。無印良品のスキンケア商品では、リニューアルのタイミングはとくに設定していないそうで、発売から10年以上、リニューアルしていないロングセラー商品もあるという。

 「お客さまに支持されているものに関しては長く売り続けるのが、メーカーの責任と考えている。これまでにないメリットをお客さまに提供できる商品については、リニューアルも積極的に行っていきたい」(中野氏)。

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