原価高騰の22年秋~冬、鮮魚部門の勝ち筋提案 ロングライフ、脱主力魚種、年末”前”商戦
いよいよ年末商戦に向けた戦略を練るタイミングとなった。全面的な相場高はもはや一過性の出来事ではなく、今後も続いていくと考えられる。さらには消費者の「魚離れ」の傾向も変わらない。年末の書き入れ時を迎えるとはいえ、課題は山積みだ。
ロングライフ商品への積極的な対応を
年末商戦の対策について触れる前に、まずは中長期的な視点で鮮魚MD(商品政策)をあらためて考察したい。
コロナ禍で顕著になった消費傾向として「ロングライフ志向」が挙げられる。お客は好きな商品を「ストック」して、「好きなときに好きなぶんだけ食べられる」ことの利便性を重視するようになった。世界的に食品ロスが問題視されるなか、鮮魚部門でも「ストック型」の商品がさまざま登場している。
たとえば、刺身といえば大根の「ツマ」を添えるのが当たり前だったが、昨今はツマをつけない「切り落とし」「タタキ」の動きがよい。ツマや大葉を使用しなければ消費期限を「D+1(製造日+1日)」で販売することができる。商品別の粗利高ランキングで見てもこうした商品は上位に入ることが多い。何より、D+1であるから客数の多い夕方~夜間の時間帯でも気にせずボリューム陳列ができ、結果として売上アップを見込めることが大きい。切り落とし・タタキは現状はまぐろが主軸だが、サーモンやたこなどにも伸びしろがあるだろう。
もう1つ挙げておきたいのが
1 2
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2025/06/30
オオゼキ、ベルクス、東急ストア……有力5チェーンがしのぎ削る“三軒茶屋戦争”が勃発!? -
2025/06/07
秋の総菜MDの方向性を徹底解説! 柔軟な「テーマ設定」でロス低減を -
2025/06/07
カギは「調味」と「カット」の磨き上げ 精肉部門の秋のMDの方向性とは? -
2025/06/07
秋の鮮魚売場は「タイミング」と「提案力」が重要に -
2025/06/06
相場は平年並み予測も販売力が問われる! 25年秋の青果MDの方向性 -
2025/05/14
ロピアVSトライアルVSカネスエ ディスカウンターの進出続く浜松エリアを徹底調査!
この連載の一覧はこちら [142記事]

関連記事ランキング
- 2025-06-25食品スーパー決算2025 優勝劣敗鮮明でランキング上位にも大きな変動が!?
- 2025-06-16なぜロピアに行くと爆買いしてしまうのか? 「姫路ムサシ店」の売場から考察!
- 2025-07-08青果部門が迎える新局面……安定供給と差別化のカギは、小売起点の流通改革!
- 2025-06-27千葉北西部のドミナントをさらに深耕 「ヤオコー松戸古ケ崎店」の売場づくりを速報!
- 2025-06-30おかずやサラダの量り売りコーナーを導入! 「イオンスタイル竹の塚」の総菜売場を徹底解説
- 2025-06-24年商目標約39億円! サミットの新店「ららテラス北綾瀬店」の売場づくりを速報
- 2025-07-04大店立地法新規届出速報 オーケーが大阪府内に2店舗を新設へ
- 2025-06-12上場食品スーパーの2024年度決算 物価高がもたらした「増収減益」の実態とは
- 2025-06-17愛知のローカルスーパー、ヤマナカが「高質業態」を再定義 そのねらいと成果は
- 2025-07-04連載・小売業とM&A 第3回 食品スーパーにおけるM&A活用の方向性