最新商品戦略!セブン-イレブンが野菜や「ダイソー」商品を導入する狙いとは

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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棚4段展開店舗を2万店まで広げる

 もう1つ、セブン-イレブンが導入を進めるのが100円ショップを展開するダイソー(広島県)の商品だ。ウェットシート、ゴミ袋、水切りネット、ポリエチレン手袋などの日用雑貨を中心に揃え、22年3月時点で、棚4段展開が1万500店、棚3本展開が760店まで広がっている。

ダイソー
ダイソーの商品を棚4段で販売する売場

 ダイソー商品もセブン-イレブン店舗によい効果を与えている。具体的には、ダイソー商品購入者内訳をみると40~60代の女性が多く、コンビニが獲得を進めたい主婦層の需要を取り込んでいる。

 またダイソー商品の購入者は、ダイソー商品を店舗で発売する以前と比較して、来店回数が110%、買い上げ点数が103%、客単価が102%と伸長する結果が出ている(栃木県内の761店での数字)。とくに、ダイソー商品のまとめ買いや、フライヤー商品、サラダ・総菜などの併買が多く見られるという。セブン-イレブンは23年2月期にはさらに棚4段展開店舗を2万店まで広げる計画だ。

自前主義を脱却し変化に迅速に対応

 イトーヨーカ堂やダイソー商品など、自社以外で開発した商品の販売を強化しているセブン-イレブン。この点について青山氏は「自前主義にこだわって今求められている商品が提供できなければ、お客さまにとって不便な店になってしまう」とその理由を語る。

 このようにセブン-イレブンはコロナ禍での生活様式の変化に応じて、青果や日用雑貨などふだん使いの商品を充実させることで、商圏内で必要とされる店になろうとしている。食品スーパーやドラッグストアなど、同じ商品群を扱う業態の各社は、商圏内の新たな傾向として押さえておきたい点である。

記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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