PB売上が22%増!ドン・キホーテの商品開発が大ヒットする理由と、“長すぎる商品名”の秘密とは
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都/吉田直樹社長)傘下でディスカウントストアを営むドン・キホーテ(同)。同社のオリジナル商品の中核となるのが、プライベートブランド(PB)「情熱価格」だ。2021年には大規模なリニューアルを実施し、売上を着実に伸ばしている。同社の商品開発の手法に迫る。
ミックスナッツの売上が年間で7億円超に
「情熱価格」が誕生したのは09年。そこから12年目に入った21年2月、ドン・キホーテは「情熱価格」をリニューアルした。「お客さまのために!と安さを追い求めた結果、気づけばドンキらしからぬ、どこにでもありそうな商品ばかりを量産しておりました」との猛省の弁とともに、今後は品質や安さに加え、思わず手に取りたくなる「驚きのニュース」がない商品は発売しないと宣言した。
「驚きのニュース」とは、商品が持つ際立った魅力やお買い得感を意味する。さらに、「情熱価格」の商品の中でも、とくに「驚きのニュース」性が高く、強いお買い得感がある商品は「ありえ値ぇ! 情熱価格」と名付けた。このシリーズの1つである「刻まれたたまねぎがドバドバ出てくるかのようなゆず果汁入りオニぽん酢」は、注ぐときに均一に刻みタマネギが出てくるよう、沈殿しないように工夫した商品だ。さらに、1000㎖の大容量で推奨売価398円(以下、税抜)と割安感もある。

リニューアル後、「情熱価格」ではこうした商品特性を商品名やパッケージ上で強く訴える戦略を採っている。たとえば、無塩ミックスナッツは、珍味担当の開発担当者がナッツの品質や最適な配合比の研究を重ねて完成させ、以前から年間5億円を売り上げるヒット商品だった。リニューアルでは、商品名を「年間売上5億円突破 ナッツを愛しすぎた担当者が独断と偏見で決めたアーモンド・カシューナッツ・くるみの黄金の究極比率 食塩・油を使わないこだわり」(315g/推奨売価698円)に改名。実に70文字近い商品名でその特色をアピールした。リニューアルの結果、年間売上高はさらに伸びて
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