マックスバリュ西日本と経営統合する四国のフジ、気になる22年度の商品政策とは?
フジ(愛媛県/山口普社長)は2022年度、「価格と価値」をテーマに掲げた商品政策(MD)を推進する。競争が激化するなか、頻度品は価格訴求で集客する一方、付加価値商品を充実して差別化し、競争力ある店づくりで収益性向上をめざす。コロナ禍で大きく変化するニーズにも対応し、楽しく、豊かさを感じられる販促にも取り組む考えだ。
PC活用で鮮魚部門を黒字化
全国的な傾向と同様、フジの商勢圏である中四国地方でも近年は業態を超えた競争が激化している。同社が多くの店舗を展開する四国エリアでは、7、8年前からコンビニエンスストアが増加。さらにここ5、6年は食品強化を志向するドラッグストアが急速に台頭し、30~40代の若いファミリー層が奪われつつあるなど大きな脅威となっている。
厳しさを増す経営環境のなか、フジは18年度以降、「価格と価値」をテーマとする店舗網の競争力強化をねらった取り組みに注力してきた。具体的には、購買頻度の高い商品をEDLP(エブリデー・ロー・プライス)で提供して集客し、その一方で付加価値商品を充実させることで差別化を図っている。
以来、EDLP対象商品を徐々に拡大することで価格競争力を増強するなどの施策により、業績は堅調に推移。21年度は、コロナ禍で内食需要が拡大して顕著に伸びた前年度実績がありながらも、依然として好調をキープしている。衛生用品や日用品は前年実績を割ったが、生鮮各部門は総じて順調だった。なかでも勢いがあったのは鮮魚である。
鮮魚部門では、プロセスセンター(PC)を積極的に活用し、生食や塩干物のパック詰めなどを集中作業することで部門運営を大幅に効率化。一方、付加価値の高い店内加工の寿司や対面販売など、差別化や利益につながる分野へ積極的に人時を配分することで成果を生んだ。これまで慢性的な赤字部門だったが、20年度には黒字への転換に成功。鮮魚部門は対前期比9%伸長し、21年度に入ってからも11月までの累計実績は同6%増と伸び続けている。
そのほか、精肉、青果、さらに総菜でも、ここ数年来、整備したPCが威力を発揮し、鮮魚と同様に成果を出している。精肉は、豚肉・鶏肉のパック詰めを集中作業する一方、需要が拡大するローストビーフの店内加工を増やした。これにより21年度の売上高は同1~2%増で推移している。
統合に向け大きな組織再編、その後の商品戦略は?
さて、フジは22年春、マックスバリュ西日本(広島県/平尾健一社長)との統合に
食品MD大全2022 の新着記事
-
2022/01/14
セブン-イレブンが22年、「デパ地下」を意識した商品を販売する理由とは? -
2022/01/14
従来のやり方から大転換、ファミマルが好調!ファミリーマートのPBはこう変わった -
2022/01/14
気鋭のコンサルが教える、スーパーが経費率10%台半ばのドラッグストアと戦うための商品政策とは -
2022/01/13
ヤオコー最新旗艦店、和光丸山台店をすご腕コンサルが丸裸に、商品政策とその意図を徹底解説 -
2022/01/13
コロナ時代にマッチし、PB売上が前年比27%増の西友 進化する商品開発の手法に迫る! -
2022/01/13
PB売上が22%増!ドン・キホーテの商品開発が大ヒットする理由と、“長すぎる商品名”の秘密とは
この特集の一覧はこちら [12記事]
フジ,マックスバリュ西日本の記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2025-01-14独自商品15%目標、新生フジのグロサリーMD戦略
- 2021-10-23愛媛のスーパー「フジ」で大人気の”週末限定弁当” 驚きのコスパと中身とは?
- 2022-03-08ストア・オブ・ザ・イヤー11〜20位を一挙に紹介!実力派企業と新興勢力がひしめく!
- 2024-11-11週刊スーパーマーケットニュース コープみらい、「コープ坂戸薬師町店」をオープン!
- 2024-11-27週刊スーパーマーケットニュース ヤオコー、「高年齢者活躍企業コンテスト」で特別賞を受賞!
- 2025-01-22新生フジの新モデル店!マックスバリュイオンタウン楽々園の売場づくりを解説
- 2020-01-31平尾健一社長が語るマックスバリュ西日本の統合後の成長戦略
関連記事ランキング
- 2025-01-08インフレ下でいかに利益稼ぐか?食品スーパーの2025年の商品戦略まとめ
- 2025-01-08食品小売バイヤー55人が答える2024年と25年の商品政策!粗利確保、差別化策で変化が!
- 2025-01-21原信の新パイロット店、富山の呉羽店の売場づくりを徹底解説
- 2024-12-26ヨークベニマル大髙耕一路社長が語る、ヨークHD誕生の成果と自社が果たす重要な役割とは
- 2025-01-22割安感と豊富さを訴求! 「スーパーベルクス世田谷太子堂店」を解説
- 2025-01-09「生鮮仕入れ改革」で成果あがる2025年のサミットの商品政策を徹底解説!
- 2025-01-22建て替え新装オープン!ヤオコー学園前店の売場づくり、新MDを徹底解説!
- 2024-12-26東京・三軒茶屋の駅近に出店! 「スーパーベルクス世田谷太子堂店」の売場を解説
- 2024-12-25ヨークベニマル泉玉露店の売場づくりを徹底解説!
- 2025-01-10対前期比7%増!PC活用進む、好調ライフコーポレーションの青果戦略とは
関連キーワードの記事を探す
事業急拡大組も仕切り直し組も ネットスーパー、顧客争奪戦の勝者は?
食品小売バイヤー55人が答える2024年と25年の商品政策!粗利確保、差別化策で変化が!
「生鮮仕入れ改革」で成果あがる2025年のサミットの商品政策を徹底解説!
新生フジの新モデル店!マックスバリュイオンタウン楽々園の売場づくりを解説
週刊スーパーマーケットニュース ヤオコー、「高年齢者活躍企業コンテスト」で特別賞を受賞!