2021年の1000社ランキングに入った食品スーパー(SM)企業は321社で、前年から22社増加した(本稿では288位までを掲載)。
昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要増で、SM各社は大幅な業績改善を見せた。上位50社に絞って見ると49社が増収決算となり、軒並み好業績に沸いている。前年(19年度)は全国的に天候不順に見舞われたほか、業種業態を超えた競争激化によって既存店売上高が前年割れとなる企業も散見された。加えて、慢性的な人手不足と人件費、物流費の高騰などを売上でカバーすることができず、上位企業でも最終減益、中堅以下では最終赤字を計上する企業もあるなど、市場には暗雲が垂れこんでいた。
そうした状況を一気に覆したのが、コロナの感染拡大である。外出や外食を控えるなかで内食回帰の動きが加速し、食品という生活必需品を扱うSMへの需要が急増。“コロナ特需”ともいえる空前の好景気に業界が沸いた。
ライフは盤石のトップ維持、U.S.M.Hも“復活”果たす
売上高ランキングで首位となったのはライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)だ。同社の21年2月期の売上高は7582億円(対前期比6.2%増)、当期純利益は176億円(同126.9%増)と大幅な増収増益となった。コロナ禍の需要増のなかで、既存店売上高も対前期比5.3%増と絶好調だった。
こうした好業績下でライフはさらなる成長に向けた投資を積極的に行っている。20年12月には自然派SMフォーマットの「ビオラル」の首都圏1号店として、東京都武蔵野市に「ビオラル丸井吉祥寺店」をオープンした。コロナ禍で消費者の健康意識はより高まっており、ライフはビオラル事業の拡大を図る方針を鮮明にしている。
需要が急増している
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