サミットがSAPのERPで基幹システムを統合刷新

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 SAPジャパン(安斎富太郎社長)はこのほど、首都圏に展開する大手スーパーのサミットが基幹システムに「SAP ERP for Retail」を採用して全面刷新し、本格稼働を開始したと発表した。サミットは複雑化したシステムの見直しを2008年から開始しており、その一環としてMDシステムの更新に着手。SAPのERPを導入することで、これまでは個別に行っていた商品の仕入管理と在庫管理を統合した。

リアルタイムな情報収集で迅速な意思決定を実現

 スーパーマーケットでは取り扱う商品が多岐にわたるのに加えて、生鮮品の産地管理や商品管理など管理すべき情報が膨大になる。そのため単一のシステムでは管理が難しく、複数のシステムを活用することになり、それが理由でデータ連携が図りにくいことや運用が複雑化するなどの弊害がある。

  サミットでもグロサリー商品と生鮮食品、子会社のサミット・コルモで扱う衣料品はそれぞれ個別の基幹システムを構築して、各事業部がそれぞれ運用しておりそれらのシステムから必要なデータを集めて店舗オペレーションに活用していた。

 しかし各システム間でのデータ連携が十分ではなくどうしても人手を介在させなければならず、情報をリアルタイムで把握することが難しく意思決定の迅速化に生かせないといった問題が生じていた。こうした問題点を解決することが業容拡大には不可欠であり、システム統合は経営上の課題となっていた。

  同社は2008年からMDシステムの改革に着手。システムのアプリケーションはSOA(サービス指向アーキテクチャー)に対応し、柔軟にアプリケーションの選択や開発が可能なプラットフォームを構築して将来的な拡張も容易にすることをねらいとした。そこでワールドワイドで実績のある「SAP ERP for Retail」の採用を決めた。

  「SAP ERP」の導入により、それまでは個別システムで構築していた各分野の仕入管理システムと在庫管理システムをERP上で統合。一元的にデータを扱えるようにしたことにより個別システムでデータを管理し、また各システム間でのデータ連携を図る必要がなくなり、運用の効率化と意思決定の迅速化が可能になるという。

商談システム、棚割システムもERPと連携

 今回はWeb経由で取引先が新商品を登録したり、販売計画などの情報を取引先と共有するための「取引先Web商談システム」と、売場の棚レイアウトを取引先に設計してもらうことができる「新棚割システム」も併せて導入しており、これらについても「SAP ERP」上での統合を実現した。

  流通業界では少子高齢化など社会環境の変化とそれに伴う市場の変化に対応し、どのように売上を伸ばして行くかが大きな課題となっている。そのためには売れる商品をタイミングよく提供することが不可欠であり、そのためのMD計画や需要予測のシステムの導入機運が高まっている。そうしたシステムを既存の商品管理や在庫管理といったシステムとデータ連携させることで、より効果的なMDシステム構築が可能になる。

  今回のサミットの事例のように、ERP上で各システムを統合しデータ連携を図るというのもその一つの手法として注目されるだろう。

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