ファブリーズが「必需品になっていない人」にこそP&Gが商機を見出す理由

Pocket

ギネス世界記録も達成
「ジョイPRO洗浄」シリーズ

──続いて食器用洗剤カテゴリーのマーケティング戦略についてお聞かせください。

山本:「ジョイ」については昨年9月に発売した「ジョイPRO洗浄まとめ洗い用」と「ジョイPRO洗浄すぐ洗い用」が非常に好調に推移しています。

 我々は食器洗いについて、”最も称賛されない家事”のひとつと捉えています。掃除や洗濯といった他の家事はキレイにすることで家族から喜ばれることがありますが、食器洗いについては「キレイになって当然」という固定概念があり、誰も褒めてくれない。ライフスタイルの変化に伴い消費者が多忙を極める中、面倒な食器洗いをより効率化するため、食器用洗剤には“エフォートレスな価値”が求められています。

 好評をいただいている逆さボトルもそうですが、「ジョイPRO洗浄まとめ洗い用」「ジョイPRO洗浄すぐ洗い用」は、現代人の食器洗いに対する不満点を解消する画期的な製品として、多くの方にリピートいただいています。

 「ジョイPRO洗浄まとめ洗い用」は「1プッシュで洗った皿の世界最多数(※4)」、「ジョイPRO洗浄すぐ洗い用」は「3分間ですすいだ皿の世界最多数(※5)」で、それぞれギネス世界記録W獲得に使用した製品であることをコミュニケーションに活用することで、一人ひとりのお皿洗いの習慣別に優れた便益を提供できる製品であるという認知の拡大を図っています。

 また「ジョイ」のベースラインは25年ぶりに新除菌成分を配合し(※6)、改良新発売します。同品は予洗い、本洗い、すすぎという食器洗いのルーティンの最後に必要な「シンク掃除」に着目。高い除菌力で毎日のシンク掃除の手間を減らし(※7)、エフォートレスな価値を提供します。

「ジョイPRO洗浄まとめ洗い用」「ジョイPRO洗浄すぐ洗い用」
現代人の食器洗いの悩みに寄り添い高いリピート率を誇る「ジョイPRO洗浄まとめ洗い用」「ジョイPRO洗浄すぐ洗い用」

──食洗機用のジェルタブについてはいかがでしょうか?

山本:ジョイジェルタブPRO」は、「予洗いナシ!洗い上がりヨシ!(※8)」をキーメッセージとしたコミュニケーションも好評で、昨秋にはより機能を高めた「ジョイジェルタブPROクリスタル」も展開し、順調に売上を伸ばしています。日本の食洗機市場は普及率・稼働日数共に先進国と比べ非常に低いのですが、手洗いに比べて、水道代が抑えられるだけでなく、食器洗いの手間も省けるといった食洗機ならではのエフォートレスな価値を「ジョイジェルタブ」シリーズを通じて、伝えていきたいと考えています。

「ジョイ」(右)「ジョイジェルタブPROクリスタル」
(左)25年ぶりに新除菌成分を配合し、高い洗浄力で毎日のシンク掃除いらずを実現する「ジョイ」(右)「予洗いナシ!洗い上がりヨシ!」をキーメッセージとしたコミュニケーションで順調に売上を伸ばしている「ジョイジェルタブPROクリスタル」

──最後に、小売業へのメッセージをお願いいたします。

山本:繰り返しになりますが、私たちが革新的な製品を生み出しても、その価値を消費者に届けられなければ、手に取っていただくことはできません。さらには、CMやSNSを活用して価値伝達を行っても、店頭に製品が並んでいなければ購買に繋がりません。

 また店頭に製品がただ並んでいるだけでは、どのような便益を持った製品なのかが分からないため、店頭販促物やリテールメディアの活用など、店頭でのコミュニケーションも重要になります。だからこそ、引き続き、小売業の皆様と協働し、それが製配販の点と点を結び、ひいてはカテゴリーの成長や世帯浸透率の向上につながると確信しています。

※1:使用状況による。
※2:本製品を手で持ち、空間中で大きく動かすことで、意図的に発生する空気の流れを浸透膜に当てることにより、製品からの香料の拡散を一時的に増加させることができる。主に香料によるマスキング効果によって行われるもの。1mの幅で7回ほど振ることで瞬間消臭効果が得られます。振るときは周りに気を付けて下さい。全てのニオイを消すものではありません。当社実験に基づく。
※3:使用状況による
※4:3分間で洗った皿の最多数認定日:2024年9月27日認定場所:日本(東京)
※5:3分間ですすいでタオルドライした皿の最多数認定日:2024年9月27日認定場所:日本(東京)
※6:手洗い用液体ジョイ日本市場内
※7:油汚れに対して。つけ置き時には本製品を投入することによる。汚れの程度により異なります。
※8:予洗いなしですべての汚れを落とすわけではありません。固形の食べ残しは事前に落とす必要があります。当社比。自社調べ

1 2 3 4

記事執筆者

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局は、DCSオンラインを通じて、食品メーカーやIT・通信などの事業者様が、小売業へPRや協業などを検討する際の最適なパートナーとなります。小売業との協業を増やしたい、小売業へのアプローチをしたいなどのご用命は、ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局へお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態