ファブリーズが「必需品になっていない人」にこそP&Gが商機を見出す理由
もう一つは「習慣化」です。先ほどお話したようにエアケア製品は一度購入したことはあるものの、いつの間にか使わなくなってしまう離脱者が非常に多いカテゴリーです。この要因はいくつかありますが、特に大きな要因として私たちが捉えていることが「いつ使うか」、「どのように使うか」が消費者に伝わり切っていないということです。
そのため、最新のマーケティング施策ではこの点を踏まえ、どのようなシーンでファブリーズを使用すればよいのかを分かりやすく伝えることで「習慣化」を後押しし、リピート購入につなげていきたいと考えています。
「朝ファブ・夜ファブ」訴求で
朝の使用をルーティン化
──では今期注力していく製品群について教えてください。
山本:まず今年2月に「ファブリーズ布用」のベースラインアップの消臭成分をアップグレードする改良を行いました。
コミュニケーションについては「朝ファブ・夜ファブ」をキーワードに、朝は枕や寝具、夜はアウターや靴にスプレーするルーティンを日常に組み込むことで、快適な生活が送れる点を訴求し、「ファブリーズ布用」の「習慣化」を促進します。
また「自分ごと化」については、未使用者の多様なスタイルや異なる悩みに合った使い方がイメージできるよう、インフルエンサーの協力の元、実際に日々の生活の中で製品を使ってもらい、身近な使用例を約100通り紹介するSNS上のマーケティングPRを展開します。こうした施策は当社としても初めての試みで、トライアル獲得やリピート購入につながる施策として大いに期待しています。
また5月には通称「金のファブリーズ」と呼ばれる「ファブリーズW除菌+消臭プレミアム」シリーズの男性用をリニューアルします。「ファブリーズ布用」は当社の製品群の中でも特に男性比率の高いブランドであり、パッケージを現行品のゴールドから黒へ変更することで、男性ユーザーにアプローチしていきたいと考えています。
