ユニバースが導入、プリファードネットワークス「MiseMise 品出し」の成果とは
北東北地盤のスーパー「ユニバース」は、店舗運営の効率化と生産性向上を目指し、プリファードネットワークスの「MiseMise 品出し」をいち早く導入しました。同社では、「MiseMise 品出し」による、追加補充作業の効率化とバックルーム在庫削減による効果を高く評価しています。今回は、ユニバース 店舗運営本部 店舗支援部門の小泉 徳彦 氏と、プリファードネットワークスの吉村 貴博 氏に、「MiseMise 品出し」導入の背景、具体的な効果、そして今後の展望についてお話を伺いました。
バックルームのどこに何があるのか誰でも簡単に把握できる強み
――はじめに、お二人の職種と担当領域についてお聞かせください。

小泉 ユニバースで店舗運営本部 店舗支援部門に所属しております。主に店舗の業務改善や効率化を推進する役割を担っています。
吉村 プリファードネットワークスで主に、小売業のお客様に対して、弊社の業務改善サービス「MiseMise 品出し」をはじめとするソリューションの導入支援を担当させていただいております。
――「MiseMise 品出し」を導入されるに至った背景、そして導入前に感じていた課題についてお聞かせください。
小泉 弊社では、仕事の進め方を見直し、生産性を上げていくことを長年追及しています。また、部門間の縦割り意識をなくし、作業を横断的に行うような仕事の進め方にオペレーションを見直している最中でもありました。
北東北では人口減少や少子高齢化が進んでおり、将来的な労働力不足も懸念しています。明日からすぐに仕事のやり方を変えるのは難しいと感じていた中、プリファードネットワークスさんから「MiseMise 品出し」をご紹介いただきました。
「MiseMise 品出し」は、バックルームのどこに何があるのかを誰でも簡単に探せるというものでした。製品そのものの仕組みも興味深かったのですが、それ以上に、この「MiseMise 品出し」を活用することで蓄積される様々なデータが、これからの仕事のやり方、進め方を変える起爆剤になると直感的に感じたことが、導入の理由になります。
店舗で最も時間がかかっている業務は陳列補充です。陳列補充には、入荷した台車からそのまま補充する入荷補充と、営業中に売れた商品をバックルームから探して補充する追加補充の2種類があります。入荷補充は比較的誰でもできますが、追加補充は、どこに在庫があるかわからないため難しいという課題がありました。
慣れた従業員はすぐにわかりますが、不慣れな人は無い商品をずっと探し続けることもありました。また、従業員が縦割りで業務をしてしまうことも課題でした。例えば、飲料担当は飲料しか補充しない、酒担当は酒しか補充しないといった状況があり、部門間の連携が不足していました。
――「MiseMise 品出し」の概要について教えてください。

吉村 「MiseMise 品出し」は店舗の品出しと在庫管理を効率化するサービスです。納品された商品のロケーションを登録し、店頭で欠品商品をスキャンすると、AIが最適なピックアップ順を提案します。これにより、特別な商品知識がなくても商品の探索とピッキングが可能になるため、入社初日のスタッフでも即戦力としてご活躍いただけます。
――導入によってどのような効果がありましたか?
小泉 直接的な効果としては、想定通りにバックルームのどこに何があるのか、誰でもすぐに探せるようになったことです。その結果、商品を探す時間の短縮はもちろんですが、無いものを無駄に探し続けるという無駄な時間が一切なくなりました。
そして、私たち自身が想定していなかった嬉しい効果として、追加補充作業に、部門間の縦割りが自然となくなっていきました。バックルームのどこに何があるのかを誰でも簡単に把握できるため、部門の垣根を越えて、品切れしている商品を誰でも補充できるようになったのです。
また、「MiseMise 品出し」をパート社員の皆さんにも自由に利用してもらうことで、誰が、いつ、何を、何個、何回追加補充しているのかというデータを数字で把握できるようになりました。同時に、バックルーム在庫の動きもデータで確認できるようになり、驚いたことに、グローサリー部門の定番商品の中に、1日に2回、3回と追加補充している商品が意外に多かったという点に気づきました。
これは今まで全く気づいていなかったことです。それらの商品の陳列スペースを拡大することで、追加補充の頻度と回数を意図的に減らすことができましたし、商品部からの棚割りにも反映させることができました。陳列作業においては、商品を探す、あるいは無い商品を無駄に探し続ける時間と合わせると、1日平均5時間の改善に繋がっています。
バックルーム在庫のデータについては、1週間で一度も補充されなかった商品をリスト化することで、滞留在庫の存在を明らかにしました。滞留在庫については、次回のチラシ向けの発注数量の見直しや、目立つ場所に陳列変更するなどして、バックルーム在庫の削減も同時に進めました。
実際に、「MiseMise 品出し」を初めて導入した店舗では、2ヶ月で30%の在庫削減を達成しました。2店舗目からは、在庫を減らすコツを掴んだこともあり、同じ期間で50%を削減することができました。日中の補充回数も大きく削減できました。
また、「MiseMise 品出し」があると商品の在庫有無がその場ですぐに分かるので、自信を持ってお客様対応ができるようになりました。

サポートが必要な店舗に重点的に支援できる仕組みを作りたい
――今後の展望や期待についてお聞かせください。
小泉 滞留在庫や補充回数以外にも、データの活用の幅をもっと広げていきたいと考えています。また、「MiseMise 品出し」を活用する店舗が増えるにつれて、店舗の状況を横断的に分析しながら、オペレーション上の支援が必要な店舗を明らかにし、優先的にサポートが必要な店舗に重点的に支援できる仕組みを作りたいと考えています。
例えば、運営状況の悪い店舗を調査して、本部から集中的にサポートするなど、データに基づいてメリハリのある店舗支援ができるといいなと思っています。
小売業では陳列補充という作業をなくすことはできませんが、商品を探したり、積み込んだり、売場を歩くといった周辺業務を減らすことはできます。他のチェーンではロボットが商品を売り場に運んでいる例もありますが、ユニバースでは「MiseMise 品出し」を使って、商品を探す手間を減らすことに取り組んでいます。
プリファードネットワークさんとは一緒に取り組んで1年が経過しようとしていますが、AIや半導体といったイメージは一切ありません。あくまでも私たちの言葉を、現場を通して理解しようとしてくれる泥臭い人たちだと感じています。今、漠然と次の課題を話しましたが、そのことを理解するまで、また解決するまで、食らいついてきてくれるだろうと想像できます。
私たちとしては、これからも良きパートナーとして、良い売り場を共に作っていきたいと思っています。プリファードネットワークスさんの製品は完成しているように見えて、そこで止まっておらず、常に改善を目指す姿勢に共感します。ユニバースの中で明確になっていなかった課題に気づかせてくれる存在でもあります。
製品とユニバースの業務を両社で一緒によくしていこうという温度感が同じなので、これからもパートナーとしてお付き合いしていきたいです。
吉村 ユニバースさんとの取り組みを通じて得られた貴重なフィードバックを活かし、より使いやすく、チェーンストア全体の店舗運営と収益改善に貢献するサービスへと進化させていきたいと考えております。
――本日は貴重なお話、誠にありがとうございました。
小泉 こちらこそ、ありがとうございました。
吉村 ありがとうございました。