インターネット広告やメディア事業において、国内で最先端の取り組みを続けている株式会社サイバーエージェント(東京都)。ブログサービス「Amebaブログ」や新しい未来のテレビ「ABEMA」など、時代の潮流に乗り革新的なサービスを提供し続けている同社が注目している市場の一つが「リテールメディア」だ。サイバーエージェントはDCSオンラインを中心にダイヤモンド・リテイルメディアの媒体に広告を出稿し、リテールメディアの取り組み事例などを紹介している。なぜダイヤモンド・リテイルメディアへ広告を掲載しようと考えたのか、そしてどのような成果があったのか。サイバーエージェント AI事業本部 リテールメディア事業 広報責任者 中島 翼氏に伺った。
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メーカー・小売両方にリーチすることができる
「リテールメディアという言葉が流行し、概念が提唱されるようになって数年経過していますが、具体的な成功事例の発信はまだ少ない印象を受けています。」そう中島氏は話し始める。
「日本とアメリカでは小売企業1社の市場占有率や商習慣が異なるため、リテールメディアにおいても、日本独自の形での発展が求められます。そのため、小売企業もメーカーも『どのように扱えばいいのか?効果指標はどう見るべきなのか?』など、悩みながら手探りで導入しているフェーズかと思います。ただ、ここ1年くらいで、特にメーカーの方々のリテールメディア活用の機運が高まっているように感じています。」
リテールメディアに関しては、まだ“正解”がない。各社試行錯誤している状態だが、徐々に成功事例が出てき始めた。そして、その事例としてDCSオンラインに掲載されたのが亀田製菓とキッコーマンソイフーズの事例だ。
「ダイヤモンド・リテイルメディアは紙媒体のイメージが強い人もいるかもしれませんが、私はオンラインにも強い印象を持ちました。というのも、『リテール DX』などでニュースを検索するとDCSオンラインの記事が多く表示されるのです。自分自身がリテール関連のマーケット情報をインプットする際にとても助けられました。
また小売関連の媒体資料を比較したとき、ダイヤモンド・リテイルメディアにはPV指標が掲載されていて、その数字も桁が違いました。メーカーと小売の両方の方々に広く知っていただきたい『リテールメディア活用事例』の発信先としては、ダイヤモンド・リテイルメディアが最も適していると考えました。」そう中島氏は話す。
多くの人に「記事を見た」と言われ、単発記事でも効果を実感!
「実際取材対応した社員に聞いたところ、二人とも『反響があった』と答えてくれました。連載ならともかく、単発の記事でこれだけ多くの反応を得られることは珍しいので、そこはすごく嬉しいです。」
具体的には、取材対応した社員が訪問先に行くと「記事、読みましたよ」と言われたり、知り合いから「うちの取り組みと協業できないか」などの話を持ち掛けられたりしたとのこと。ほかにも社内広報としての意味合いも強く「リテールメディア事業はこのようなことをしていたのか」といった社内認知の向上や、「同じような記事をうちの部門でも作りたい」といった相談をされたりもしたそうだ。
おそらく、このような成果に結び付いたのは、亀田製菓「顧客と店頭をつなぐ次世代プロモーション「リテールメディア」の強み」、購買データをファクトに次の一手へ!キッコーマンソイフーズ「リテールメディア」新・活用事例の記事ともに、リアルな内容であったからだろう。
「リテールメディア」という言葉に関心を抱く人は増えている。しかし情報を集めようと思っても概念的なものが多く、具体的な取り組みや成果についての記事はなかなか見つからない。だからこそ、両記事が通常より大きな反響を得られたと考えられる。
リテール事業者のデジタル力向上は、日本の国力増強につながっていく
今後、サイバーエージェントとしてどのような取り組みをしていきたいのかを伺った。
「同じような事例をもっと発信していきたいです。自社のPRはもちろんですが、他社様であっても良い事例は参考にしていただき、リテールメディア業界全体の発展に貢献できたら嬉しいです。
といいますのも、今国内では、約1,100万人の方々が流通事業に関わっていますが、日本の商習慣などの文化的な背景から、まだまだデジタルの活用が進んでいないところもあると感じています。
もしこの方々が、デジタルを積極的に活用するようになれば、日本の小売業界はさらに発展していくでしょうし、それは日本の国力増強にもつながっていくと思います。だからこそ、今後も様々な発信を続けていきたいですね」。
労働人口の1割近くを占める小売事業者のIT力の向上は、国力の増強にもつながっていく、という話に私たちも大きく頷いた。新しい小売業界の未来をつくるためにも、ぜひ多くの企業にDX化への一歩を踏み出してもらいたい。