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年末が勝負の「新あさひ豆腐」…今年は潜在ユーザーの掘り起こし

新あさひ豆腐
ふっくらやわらかく、口あたりがいい「新あさひ豆腐 10個入」(左)、高オレイン酸大豆を使用したうす切りタイプの「新あさひ豆腐うす切り」。お味噌汁や野菜炒めなどに最適(中)、1/6カットサイズの高野豆腐が入った即席タイプの「カップ小さな新あさひ豆腐」。熱湯を注いで4分、液体調味料を入れて混ぜるだけ(右)

低糖質で高たんぱく、保存にも優れた食品としてあらためて注目されている高野豆腐。中でも高野豆腐が最も売れる時期は12月で、おせち料理としてはもちろん、家族が帰省した時のおもてなし料理の1品として登場する機会が多い。旭松食品では昨年、プロモーションを強化したことで需要拡大に貢献。今年は早めの仕掛けで、さらに購買を促進する。

店頭露出やテレビCMの投下で23年12月第4週は大きく伸長

 ハレの日に家族みんなの幸せや健康を願って、昔から食べられてきた日本の伝統食材である高野豆腐。原料の大豆は、節分の豆まきの例でもわかるように古くから邪気を払うものとされてきた。おせち料理に高野豆腐を入れるのは、あらゆる災難から守ってもらいたいという願いが込められているからだ。

 旭松食品では昨年、高野豆腐の需要の最大化を図るために11月から店頭での仕掛けを強化。12月には高野豆腐の最大消費地である関西を中心にテレビCMを集中的に投下した。こうした取り組みにより、2023年12月第4週の高野豆腐の店頭販売金額は対前年比18.4%増と大きく伸長した(図表❶)。需要期に店頭やテレビCMなどで高野豆腐の露出を増やすことで、確実に需要アップを図ることができる。

 高野豆腐がおせち料理に使われるのはもちろん、家族の帰省時におもてなし料理の1品としても活用されている。旭松食品が行った「帰省に関する調査」では、帰省したら「家族みんなで食事をすること」が楽しみのひとつになっており、中でも帰省した家族に振る舞いたい和食の1位は「煮物・煮込み料理」となった。帰省した時は「懐かしい味でほっとしたい」という気持ちが働くようだ。

10月からテレビCM投下

 「高野豆腐の日」の少し前、10月下旬から関西でテレビCMを投下開始。また全国に向けてはTVer広告を投下予定だ。「今夜は家族で58102(こうやどうふ)」をテーマに、年末にパパが家族に手料理を振る舞う内容となっている。パパがつくる料理は白だしで下味をつける「高野豆腐の白だし唐揚げ」。しっかり味の染みた新感覚の高野豆腐の唐揚げは家族が喜ぶメニューとなっている。

テレビCM「パパの得意料理は58102(こうやどうふ)」編

 12月の最需要期にはエンド展開など店頭露出を進める。テレビCMと連動した販促物やSNSインフルエンサー施策を用意して購買を促進する。

 高野豆腐は和食で使われることが多いが、お肉の代替や洋風スープの具材など、さまざまな料理に活用できる。

 こうや豆腐普及委員会では、高野豆腐の魅力を広げるために、昨年「こうや豆腐#しみじみレシピコンテスト」を実施。洋風、中華風、韓国風、スイーツなど、アイデア満載のレシピが多数寄せられ、「こうや豆腐の彩りホットサンド」がグランプリを獲得した。そのほか、「お肉の代わりに」や、「子供も喜ぶ!」「簡単!時短!」などテーマに沿ったアイデアレシピが受賞した。魅力的な高野豆腐レシピを訴求することで、食卓登場頻度アップをめざす。

最需要期の売場陳列例

 また11月の「高野豆腐の日」や「いいかんぶつの日」「和食の日」では、日本の伝統食材である高野豆腐の栄養価値やおいしさ、食べ方などの啓発活動を行っていく(図表❸)。今年は10月から早めに高野豆腐のプロモーションを展開し、長期的に高野豆腐のイメージを刷り込み、12月の最需要期に売上の最大化を図る。

 湯戻し不要で簡単に調理ができ、ふっくらやわらかく、口あたりのいい「新あさひ豆腐」。同商品は、厚みや大きさなどさまざまな形状の商品が揃っており、料理や好みに合わせて使い分けができる。中でも、ひとくちサイズにカットした高野豆腐にかつお節エキス使用の粉末調味料付きの「小さな新あさひ豆腐粉末調味料付」が好評。電子レンジで簡単につくれる手軽さが人気の理由だ。

即席タイプの高野豆腐の発売で食シーン拡大を図る

 さらに今年の春には、カップシリーズとして「カップ小さな新あさひ豆腐」を新発売。熱湯を注いで4分、液体調味料を入れて混ぜるだけの即席タイプの高野豆腐。レギュラータイプのほか、減塩タイプもラインアップし、塩分が気になる人にも訴求する。

 これまで高野豆腐は加熱時間に制限があったが、熱湯を注ぐだけで、ふっくらやわらかく食べられるように新製法を採用することで、即席タイプが実現した。1/6カットサイズの高野豆腐の即席タイプは、高野豆腐業界初の商品となる。

 また、同社では米国グローバルGAP認証取得農場にて栽培・収穫された高野豆腐用の高オレイン酸大豆を開発。オリーブオイルに含まれる注目の成分オレイン酸が、通常大豆の約4倍含まれている。高オレイン酸大豆を使用することで、酸化速度が遅くなり、脱酸素剤や特殊包材を使わずに賞味期限の延長が可能となった。

 この大豆を使用した「新あさひ豆腐うす切り」を23年2月に発売。お味噌汁や野菜炒めなどにぴったりのうす切りタイプで、賞味期限は1年を実現した。

 同年3月には、高オレイン酸大豆を使用した即席タイプの「カップ新あさひ豆腐」を発売。麺のような細切りの高野豆腐で、お箸で食べやすいのが特徴だ。

 和総菜で人気の高野豆腐の含め煮を手軽に楽しめるカップタイプのラインアップ強化で、忙しい朝やオフィスでのランチなど、新たな食シーン拡大につなげていく。

高野豆腐の白だし唐揚げ(左)と白だしでつくる高野豆腐の含め煮(右)