豊富な栄養を含む“くるみ”は、スーパーフードとして知られているが、美容効果・集中力アップといった新たな魅力が注目されるようになり、単品だけでなく食材としての可能性が広がっている。カリフォルニア くるみ協会では、さまざまなクロス販売を推奨し、需要拡大をめざしている。
著名人・専門家もくるみの健康効果を発信
今年4月に放送されたCBCテレビ(TBS系列全国ネット)の人気情報番組「ゴゴスマ」では、アンチエイジング・美容を専門とする日比野佐和子医学博士が“くるみ”の健康効果とおすすめの食べ方を紹介。「くるみには、ポリフェノールなどの抗酸化物質が多く、老化予防としても注目されるオメガ3脂肪酸がナッツ類の中でもダントツに多く含まれており、健康維持に加え、美容効果も期待できる可能性があります。くるみをヨーグルトやバナナと一緒に食べることで、朝のお通じにもプラスになり、腸の状態がよくなると肌の健康にもつながります」と解説した。
同じく4月に実施された日本ゴルフツアー「第63回 中日クラウンズ」(決勝ラウンド)中継番組内ではインフォマーシャルが放映され、ラウンド時の「間食」をテーマに、くるみの栄養価やくるみを食べることで集中力がアップするといった研究結果が紹介された。
また、多くの著名人が、インフルエンサーとしてくるみを使用した料理の紹介と、その美容・健康効果について発信している。とくに、くるみを使ったペーストは、美肌フードとして昨年SNSで大きな話題となった。こうしたくるみの注目度の高まりもあって、ユーザー層は大きく拡大しつつある。
健康・美容食として、くるみが支持される理由
くるみが「スーパーフード」と呼ばれるのは、豊富な栄養価だけでなく、その健康効果について、さまざまな調査・研究で証明されているからといえる。
①1日分のオメガ3脂肪酸が摂れる
くるみはオメガ3脂肪酸を、ナッツ類の中で唯一、豊富に含んでおり、ひとつかみ(約30g)で、1日に必要なオメガ3脂肪酸(2.7g)を摂取できる*1。オメガ3脂肪酸は、体内で生成されず、心臓、脳、腸の健康をはじめ、生活習慣病予防、美容にも役立つ栄養素。
②老化防止、ポリフェノールが豊富
くるみのポリフェノール含有量は、赤ワイン1杯の含有量を上回る。くるみにはさまざまな抗酸化物質が含まれており、抗酸化値はナッツ類の中で最も高いことが明らかになっている*2。
③ダイエットをサポートする
くるみは低糖質でグルテンフリー。良質な脂肪を含むため、腹持ちがよく、ダイエットに有効活用できる。くるみの定期的な摂取で、LDL(悪玉コレステロール)や中性脂肪が大きく低減することが示されている*3。
*1U.S. Department of Agriculture, Agricultural Research Service. FoodData Central, 2019. fdc.nal.usda.gov.
*2Vinson JA, Cai Y. Nuts, especially walnuts, have both antioxidantquantity and efficacy and exhibit significant potential health benefits.Food Funct. 2012;3(2):134–140. doi:10.1039/c2fo10152a
*3Guasch-Ferre M, Li J, Hu FB, et al. Effects of walnut consumption onblood lipids and other cardiovascular risk factors: an updated metaanalysisand systematic review of controlled trials.Am J Clin Nutr. 2018 Jul 1;108(1):174-187. doi: 10.1093/ajcn/nq y091
さまざまな食シーンで伸びしろ大きい“くるみ”の需要
古来から食されているくるみは、佃煮に代表されるように日本人の食生活の中に浸透している。くるみは食材としての汎用性が高く、和・洋・中のジャンルを問わず、さまざまな料理の素材として利用することができる。とくにこの数年、ベーカリー、菓子・デザート、総菜、外食メニューなどの幅広い分野で、くるみを使用した商品開発が活発化している。
日本国内で流通するくるみのほぼ全量がカリフォルニア産だ。カリフォルニア産くるみの啓蒙や販促活動を担うカリフォルニア くるみ協会によると、国内でのくるみの認知度は9割を超え、日本人のほとんどがくるみを認知している。くるみのヘビーユーザーは、毎日の食生活のさまざまなシーンでくるみを取り入れている。一方、ライトユーザーの多くが、くるみパンやおつまみなどでくるみを食べているものの、食材としてくるみを利用していないことが示唆されている。
汎用性と栄養価に秀でたくるみは、そのまま食べるだけでなく、ほかの食品との組み合わせや調理素材として潜在需要は大きい。小売店舗においてもほかの食品とクロスで販売できる付加価値の高い商材だ。カリフォルニア くるみ協会では、くるみを「名わき役」と位置づけ、くるみと親和性の高いヨーグルト、はちみつ、サラダといった商品とのクロス販売プロモーションを年間を通して実施している。
今秋は「くるみの日キャンペーン・くるみ大収穫祭」を実施!
カリフォルニア くるみ協会では、9月30日の「くるみの日」に合わせ、9月~10月の期間で「くるみの日キャンペーン・くるみ大収穫祭」を実施する。くるみのはちみつ漬けをはじめとして、さまざまなコラボをテーマに、くるみ×αのクロス販売を提案する。さらに、くるみパンを食べてプレゼントが当たるくるみ大収穫祭キャンペーンも同時に開催する。
くるみはさまざまな販促企画が可能で、季節を問わない商品であることを考えると、クロス販売を中心としたメニュー提案で、需要はさらに大きく伸びていくことが考えられ、店舗売上アップに貢献する、まさに「名わき役」となるだろう。
食品スーパーセブンスターの「ディスプレイコンテスト」販促事例を紹介
くるみは訴求できる健康効果が豊富!
クロス販売でヨーグルト・はちみつの売上もアップ
これまでにディスプレイコンテストでくるみを提案してきたことで、くるみの売上が伸びていることを実感しています。そこで今回は、人気企画「朝食フェア」で、「#くるみで腸活!」をテーマに、新生活を迎えるお客さまに向けて売場を展開しました。
腸活を訴求した「くるみ×ヨーグルト」のクロス販売は消費者にもわかりやすく、売場の相乗効果によってくるみ単体商品だけではなく、ヨーグルト、はちみつ、フルーツなど、腸活に関連した商品の売上を伸ばすことも成功しました。実際プロモーション期間中は、前年同月比でくるみ商品の売上は600%、はちみつ商品の売上は320%を記録。さらにヨーグルトも前月比で100%以上を達成しました。くるみは多様な健康訴求を提案できる商品の一つで、季節を問わず売場をつくることができるため、今後も積極的にプロモーション提案を行っていきたいと思っています。
セブンスター石井店
今回、ヨーグルト、はちみつのほか、いちごやパイナップルなどのフルーツも一緒に展開することで、朝食メニューの提案を行いました。店内放送も積極的に行いました。お酒のつまみ以外の、くるみの食べ方や汎用性を広げることができたと思います。(佐伯幸治店長)
セブンスター石手店
洋日配売場で、ヨーグルト、はちみつなどと一緒に朝食の提案を行いました。ふだん、洋日配売場でナッツ類を展開することはあまりないのですが、お客さまに驚きや新たな発見を提供できるような展開で、くるみの食シーンの気付きを訴求できたと思います。(兵藤康裕店長)
セブンスター六軒家店
島展開の催事コーナーで展開しました。隣接して洋日配のヨーグルトや牛乳売場がレイアウトされているので、朝食の提案ができました。一次商圏には30~40代のファミリー層が多く、同世代の主婦層へのくるみの訴求ができたと思います。(福島陽一郎店長)
セブンスター三津店
毎年、売場展開を行っていることで、確実にくるみの売上が伸びています。ヨーグルトやはちみつなどと販売するほうが、お酒のつまみとして提案するより売上が高いようです。競合店が増え提案力が求められる今、こうしたクロス販売には積極的に取り組んでいきたいと思います。(近藤浩之店長)