ipoca「ミセシル」の活用で見えてきた自店の強み
地域密着型スーパーの成長戦略

文・構成:石山 真紀
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ワークショップなど
手厚いサポートも魅力

―― 新システムの導入には現場の理解が必要です。「ミセシル」の導入に対し、店長からの反応はいかがでしたか?

橋本 「ミセシル」は直感的でIT初心者でも使いやすく、ipocaさんが店長向けに「ミセシルマスタープログラム」というワークショップを開催してもらったことで導入がスムーズに進みました。月1回、収集したデータを店長宛に送っていただけるため、自発的に分析することが苦手な店長も数字が確認できる点がありがたいですね。

また分析結果をもとに、店舗で行った施策やチャレンジを共有する「サクセス発表会」を実施することで社内の雰囲気が良くなり、モチベーションも上がったように感じます。店長からは数字的な根拠ができたことで施策に取り組みやすく、下のスタッフにも状況が説明しやすくなったと好評です。

CSの仕組み

―― 「ミセシル」での分析から導き出した成功事例があれば教えてください。

橋本 これまでランドロームの来店客はシニア層が中心と捉えており、シルバーズデーなど、シニア層を対象とした施策に重点を置いていました。しかし「ミセシル」で分析してみると、子育て世代など意外に若い世代のお客様も多く来店されていることが分かりました。

そこで今期より「子育て支援」として毎週水曜に子育て世代を対象としたレシート施策を打っており、若年層の来店が増加するなど一定の成果をあげています。

データの裏付けができたことで、自店や顧客ニーズの理解度が増したこと、アクションがより具体的になったこと、さらに成功事例を共有しやすくなったことは「ミセシル」導入の大きな成果だと思います。

子育て支援デー

―― 今後、どのような店舗運営を目指していきますか?

橋本 「ミセシル」を導入して1年半ほどですが、現在は店長が各店の商圏分析等に使用することが主となっています。しかし時間が経てば人事などでスタッフの立場も変わっていきますし、時代の変化に合わせた本部主導の施策も必要でしょう。ですから今後は商品部など本部の営業サイドでも「ミセシル」を活用し、商品・サービスの開発や棚割りに生かしていきたいですね。本部と店舗が分析データを共有し、仮説・検証を行い施策につなげる。PDCAサイクルを回すことによる好循環が生まれればよいと思います。

またipocaさんは「ミセシル」のようなサービス以外にも様々なビッグデータをお持ちで、フットワークも軽く様々な要望に応えていただいています。今後は購買データを活用した単品分析など、新たな分析にも挑戦していきたいと考えています。

RPDCAについて

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