300万店閉店の中国外食市場で躍進したKFC・ピザハットのリソース活用術

文:牧野 武文(ライター)
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 2024年に300万店が閉店するなど、景気が低迷する中国では、大都市を中心に飲食業が厳しい環境にさらされている。

 こうした環境下、「KFC」「ピザハット」「タコベル」などのブランドを運営する百勝中国控股(ヤム・チャイナ・ホールディングス)の業績が好調だ。

K COFFEE外観
「K COFFEE」は、KFC店内のほか、テイクアウト専用窓口「KFC TO GO」でも販売する。コーヒースタンドとしても利用できる。店舗、スタッフコストはKFCに依存できるため、9.9元でエスプレッソを提供できる。(写真はヤム・チャイナのプレスリリースから引用)

 中国の飲食業界では「売上高」「既存店売上高」「営業利益」の3つは「不可能な三角形」と呼ばれ、3つ同時に達成するのは難しいといわれている。そんな中、24年度第4四半期のKFCは売上高が対前年同期比5%増、既存店売上高が同1%減、営業利益は同18%増となり、ピザハットは売上高が同3%増、既存店売上高は同2%減、営業利益は同226%増となった。

 この2社は今回3つ同時の達成こそならなかったが、あとわずかというところまで迫る記録的な業績をつくりあげた。

 この成果は、経営の効率化と革新を両立させたことに起因する。一例となるのが、本連載の第76回(25年3月1日号掲載)で紹介した「ピザハットWOW」(以下、WOW)だ。

AI基幹システムが店舗運営の司令塔に

 WOWは、ピザハットが「サイゼリヤ」に対抗するために中国で打ち出した価格訴求型フォーマットで、同社にとって運営効率化を試す実験場にもなっている。

 そこで行われているのが

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