ウォルマートがデジタル変革に本腰を入れ始めたのは2011年だ。「パンゲアプロジェクト」という名称で基幹システムの総入れ替えに着手したのであった。終了したのは15年で、ここからフルスピードへとギアチェンジ。マクミロンCEOが「ウォルマートはデジタル企業になった」と発言したのが21年である。
ここまでがデジタル変革フェーズとすると、22年から始まったのがA I変革だ。22年にOpenAIがChatGPTを公開したことを契機として、ウォルマートに代表される大手企業の多くがAIを業務プロセスに組み込み始めた。
これは私の実感とも合致している。アメリカでは、もはや「DX」という単語を目にすることはなく、業界ニュースに頻出するキーワードは「AI変革」になってしまっている。
たとえばウォルマートは社内とリクルートの面接用に、面接希望者が事前にシミュレーションできるAIツールを開発し実験している。店舗運営やマーチャンダイジングだけではなく、福利厚生や人材開発など、あらゆる領域でAIによる効率化が進んでいることがわかる。
業務向け新AIが登場社員向けAIは統合へ
7月に実施したイベントでウォルマートは、この大量に存在するAIエージェントを4つに集約する構想を明らかにしたのである。
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