
カナダに本拠を置くコンビニ大手のアリマンタシォン・クシュタールは31カ国に1万7000店舗弱を展開するグローバル企業だが、連結売上高の63%をアメリカ事業が占めており、実質的にはアメリカの企業である。
またクシュタール店舗は本拠のあるモントリオールなど地域が限定されていて、グローバル屋号としているサークルKがマジョリティを占めている。クシュタールは日本人には馴染みのない社名なのだが、サークルKだとすればわかりやすいだろう。
米国ではスケールメリットがご利益に
このクシュタールがセブン&アイに対して買収提案をし、虚を突かれたセブンが右往左往していることはご存じのとおりだ。これを執筆している時点では、創業ファミリーによる自社買収によって切り抜けようとしているが、総額は9兆円規模に上るとされ、資金調達で時間を要しているようだ。
クシュタールは度重なる買収で企業規模を大きくしてきた企業である。本社には買収専門の部門があり、複数の買収や統合を並行して取り扱っている。おそらく彼らにとってはセブン買収案件も日常業務の流れの中にあるのだろう。
アメリカのコンビニ業界は日本のように上位集中化していない。統計データでは総店舗数の60%は1店舗しか運営していない単独店舗で、だから買収専門の部門を持つことは必然とも言えるのだ。
さて、ではクシュタールによるセブン買収の価値はどこにあるのだろうか。日本のマスコミはセブンのフードサービスを俎上に載せがちだが、底が浅いと思っている。
フードサービスとは字面でわかるとおり、
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