22年度の売上高は前年度から18%伸長
化粧品・美容業界は新型コロナウイルスの流行で大打撃を受けたが、それをものともせず、売上拡大を続けるビューティー小売チェーンがある。アルタ・ビューティ(Ulta Beauty:以下、アルタ)だ。
同社は1990年に米イリノイ州で創業し、米国では2023年4月時点で1359店舗を有する。“All Things Beauty, AllIn One Place(美に関するすべてを1つの場所で)”をコンセプトに掲げ、化粧品、フレグランス、ヘアケア、スキンケア関連商品の取り扱いに加え、美容サロンも展開している。
競合企業としてはセフォラ(Sephora)が挙げられるが、同社が都市部を中心に高価格帯の商品展開を強化しているのに対し、アルタは郊外を中心とした店舗網で、低・中価格帯を含めた幅広い商品ラインアップを展開しすみ分けを図っている。
では、急速にオンライン化が進む化粧品小売業界において、なぜリアル店舗中心のアルタがこれほどまでの大躍進を遂げられたのであろうか。背景には、オンライン・オフライン双方における「3つの戦略的仕掛け」がある。
米ターゲットと提携し、ショップ・イン・ショップ出店
1つめの仕掛けとして挙げられるのは、
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