オフプライス業態を成功に導く2つのポイントとは サックス・オフ・フィフスCEOが語る

フリーランスライター:松岡由希子
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サックス・オフ・フィフス(Saks OFF 5TH)は、米ニューヨークを拠点とする高級百貨店サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)のオフプライスストアだ。CNBCリポーターと対談した、サックス・オフ・フィフスのペイジ・トーマス社長兼CEO(最高経営責任者)が語る、オフプライスストアの成功法則とは。

正規品の在庫過多で良好なビジネス環境

 サックス・オフ・フィフスはオフプライスストアとして、「モダンラグジュアリーを手頃な価格で万人に届ける」ことをミッションとして米国とカナダで約100店舗を展開。2013年には公式オンラインストア「SaksOFF5TH.com(サックス・オフ・フィフス・ドットコム)」も開設している。

 米国では22年1月以降、コロナ禍から脱却して社会経済活動が正常化に向かったものの、記録的な水準のインフレが消費者に影響を与えている。

サックス・オフ・フィフスのペイジ・トーマス社長兼CEO(写真右)
サックス・オフ・フィフスのペイジ・トーマス社長兼CEO(写真右)

 トーマス社長兼CEOは「ホリデーシーズンに入って、22年前半の出来事とこれに伴う落ち込みが現実となり、顧客の財布がプレッシャーにさらされていることを実感した」との認識を示し、「素晴らしいブランドを驚きの価格で提供することが重要になっている」と物価高騰下でのオフプライスストアの意義を語る。

 22年のホリデーシーズンでは「YSL(イブ・サンローラン)」や「Golden Goose(ゴールデングース)」といった有名ブランドを対象にフラッシュセールを実施し、大きな成果を上げた。

 正規価格で販売する小売店の在庫量は過多となっている。そのため、サックス・オフ・フィフスはよりよい商品から最良のものを厳選して仕入れられ、過剰にコミットする必要がない。6~12カ月先を予測して判断するのではなく、消費者行動をモニタリングしながらより機敏に対応できる。トーマス社長は

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