[17日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムは17日、英国で発行されたビザのクレジットカード受け入れを来年から停止すると発表した。手数料の高さが理由だ。
アマゾンはここ数カ月、シンガポールとオーストラリアでビザのカードを利用する顧客に対しても、ビザの手数料が高額だとして料金を上乗せ請求している。
英国のビザカードの受け入れ停止は来年1月19日付の予定。アマゾンは、こうしたカード会社の手数料について「本来は技術の進歩に伴って下がるべきだが、彼らは高水準に据え置くか、引き上げさえしている」と批判した。
アナリストによると、これまで小売業界は、ビザが抱える膨大な顧客ネットワークを取り込む対価として高い手数料を容認してきたものの、状況が変わる可能性が出てきた。
ハーグレーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ローラ・ホイ氏は、アマゾンの今回の決定は「決済サービス業における重大な転換点」だと指摘。アマゾンは、自らの決済システムにより多くの顧客を誘導したいのではないかとの見方を示した。
ホイ氏は「最終的に、顧客がアマゾンの決済システムに乗り換えるか、あるいはビザが屈服するかというこのチキンゲームは、どちらに転んでもアマゾンが得をする以上、同社が優位に立っていると思う」と話した。
2016年には米小売り大手ウォルマートがカナダでビザと手数料協議で対立した後、クレジットカード受け入れ停止を表明し、7カ月後に両社が和解したケースもあった。