米アマゾンが年末商戦の「前倒しセール」を始めた切実な理由とは

「ニューズフロント」記者 小久保重信
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輸送費急騰、コンテナ不足、人手不足

 米経済ニュース局のCNBCは21年10月、今年は多くの小売業者がサプライチェーン問題に直面していると報じた。背景にはコンテナ輸送コストの急騰やコンテナ不足、積み出し港における新型コロナの感染拡大、積み降ろし港や物流倉庫における人手不足などがあるという。

 21年9月には、米西海岸に運ばれてきたコンテナが荷下ろしされず、大量に積み上がっていると米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙などが報じた。港湾や陸上輸送業者、物流倉庫業者などでの人手不足が原因だという。数万ものコンテナがロサンゼルス港とロングビーチ港にとどまり、60隻以上の貨物船が入港待ちの状態。両港は、米国の輸入量の4割以上をさばいており年末商戦に影響が出そうだと伝えていた。

 物流停滞による品不足に対処するため、バイデン米大統領は10月中旬、ロサンゼルス港を24時間・休日なしの態勢に切り替えると発表した。米フェデックスや米UPS、米ウォルマート、米ホーム・デポなどに協力を求め、夜間の港利用時間を増やして状況改善を図っている。

 一方、アマゾンは21年10月、繁忙期に向けて米国で15万人の季節労働者を雇用すると発表。ニューヨーク州やテキサス州、バージニア州などの20州に集中して雇用を拡大し、年末態勢の準備を進める。

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