[20日 ロイター] – アドビ・アナリティクスによると、2021年の米年末商戦(11月と12月)のオンライン消費は平均10%増の2070億ドルになる見通しだ。少なくとも8年間で最も低い成長になる。
商品不足や価格上昇、長引く新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)関連の不確実性が、年末商戦を圧迫する恐れがあるという。
コロナ禍で、店舗に出向く代わりにオンラインでの買い物が増えた20年には過去最高の33%増を記録した。
小売業者は、20年の大部分は店舗の営業制限に悩まされていたが、今は世界的な供給網の混乱などパンデミックによるさまざまな影響に苦慮しており、年末商戦期に米スポーツ用品大手ナイキの靴から、米アップルのiPhoneまで、あらゆるものが不足する可能性がある。
アドビのアナリストは20日、どの商品がいつ品切れになるのかが不明確なため、商品不足によって消費者がオンラインと店舗のどちらで購入するようになるのか、判断が困難だと述べた。予想される品不足や新型コロナウイルスの再拡大リスクも、オンライン消費の予測範囲を5─15%と広げた理由の一部とした。
21年の伸びには製品の値上げが含まれると予想されるが、14年にアドビが年末商戦支出データの追跡を始めて以来、最低の上昇率となる見通し。
コモディティー価格や輸送費の高騰により企業が製品価格を引き上げていることから、感謝祭からサイバーマンデーの期間に消費者が支出する金額は9%増加すると予想。
アドビによると、小売店サイトに掲載される在庫切れのメッセージは、7月末時点でパンデミック前と比べて172%増加。アパレル製品が最も早く減り、次いでスポーツ用品、ベビー用品、電化製品となっている。