[ストックホルム 10日 ロイター] – スウェーデン家具大手イケアのショッピングモール運営会社であるインカ・センターズはこのほど、中国南部の湖南省長沙に建設した初めての店舗と住宅の複合施設で集合住宅約500戸の販売を開始した。
インカ・センターズのマネジングディレクターを今年2月から務めるシンディ・アンデルセン氏はインタビューで、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)により遅れていたショッピングモールの営業が先月に開始したのに続き、住宅の購入者が来年3月に入居を開始するとの見通しを示した。
インカ・センターズは欧州、ロシア、中国に45カ所のショッピングモールを保有。中国では「Livat」ブランドでモールを展開している。
同社は中国の急速な都市化を見込んで住宅事業を進めている。Livat長沙の住居用ビルは、在宅勤務の人たちを引き付けるため、イケアと協力して設計や内装を行った居住用および仕事用の共有スペースを備えている。
アンデルセン氏によると、Livat長沙のショッピングモールは7月時点でテナントの入居率が約95%。床面積13万平方メートルの施設にスポーツ用品のデカトロンや衣料品のユニクロを含め、レストランから娯楽施設に至る多様なテナントが営業している。
アンデルセン氏によるとインカ・センターズは、親会社のイケアと同様、中国でもサービスやオムニチャネル、利便性に対する消費者の期待にきめ細かく対応する限り、実店舗型小売りの将来は有望だと強く確信しているという。