6月9日、米国のフードデリバリー(料理宅配)最大手ドアダッシュ(DoorDash)が日本に進出し、宮城県仙台市でサービスを開始した。2013年創業の新興企業であるドアダッシュ。20年12月のIPO時の時価総額は600億ドル超と、市場でも大きな注目を集めた。ドアダッシュの2020年の売上高は約30億ドルで、米国の料理宅配市場の売上シェア約6割を占め、2位ウーバーイーツ(Uber Eats)の約2割を大きく引き離している。米国では成功を収めてきた同社だが、日本での先行きには困難も予想される。
取材協力=高島勝秀(三井物産戦略研究所)
2021年6月、ドアダッシュが日本でサービス開始
日本の料理宅配市場は、「出前館」と「ウーバーイーツ」が2強として存在する。両社は、激しく競合する一方で、足元では棲み分けの構図が生まれつつある。
たとえば顧客層を見ると、出前館が20~60代の幅広い世代から支持されているのに対し、ウーバーイーツは20~30代女性が主力。地域的には、前者が近畿圏で、後者は関東圏が中心となっている。両社とも、大都市圏を中心に事業基盤を固め、そこから地方へとエリアを広げようとしているのが特徴だ。
コロナ禍での需要拡大を背景に、新規参入も相次いでいる。直近では国内スタートアップ企業のmenu(東京都)が急成長中だが、同社よりも注目を集めているのが外資系企業による2つのフードデリバリーサービスだ。
フィンランド初のフードデリバリーサービスである
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。