NYの飲食店やバー、1年ぶりに通常営業再開 人手不足が障害

ロイター
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ニューヨーク市内のバーのオーナー、パット・ヒューズさん
5月21日、 米ニューヨーク州の新型コロナ対策規制の大幅緩和で、ニューヨーク市内の飲食店も店内の人数制限がついになくなった。写真はバーのオーナー、パット・ヒューズさん。17日撮影(2021年 ロイター/Roselle Chen)

[21日 ロイター] – 米ニューヨーク州の新型コロナ対策規制の大幅緩和で、ニューヨーク市内の飲食店も店内の人数制限がついになくなった。ところが、営業を通常再開できるようになったそうした店に働き手がなかなか戻らず、一部のレストランやバーは人手不足の穴埋めに必死になっている。

マンハッタンのバーのオーナー、パット・ヒューズさんは、腕の良いバーテンダーが見つかれば1年以上ぶりに店を開けたいと思っている。しかし、店で払える賃金を上回る失業保険手当やコロナ給付金を受け取っている人たちは求人に応じてくれないかもしれないと懸念している。

ヒューズさんによると、従業員を引きつけるため賃金を上げる必要があるのだろうが、そのコストは客に転嫁せざるを得ない。「値上げするとして、果たしてハンバーガーやバドライトのビールにそうした分を客が払ってくれるだろうか。値段は既に十分高いのに」と話す。

求職サイトのジョブリストによると、ニューヨークでの飲食店などの求人はこの3か月でほぼ2倍になった。しかし、この仕事に関心を示す人の水準は、昨年6月にコロナによる営業制限がいったん解除された際のピークに比べ、40%以上落ちているという。

マンハッタンのフランス料理店のオーナーで調理長のポール・デナミエルさんによると、以前に働いていた従業員の多くが、この業界そのものから足を洗うことを決めている。

ニューヨークでも最も人気のバー数店でバーテンダーを足掛け8年務めたアーロン・コラチさんがそうした1人だ。コラチさんはニューヨークでバーが再開するまでの暇つぶしと思い、コンピューター関係を勉強することにした。しかし、オンラインでコンピューターサイエンスの入門コースを契約した後、仕事のキャリアを変えてソフトウエアのエンジニアになりたいと思うようになったという。

コラチさんによると、10年働いてバーのマネジャーになりたかったのか、あるいは、いつかニューヨーク近郊に引っ越して、そこで家を買えるような生活や、本当にやりたかった仕事を自分は望んでいるではないかと、自分を見つめ直すことになったという。

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