[ロンドン 1日 ロイター] – IHSマークイットが発表した3月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は62.5と、1997年6月の調査開始以降で最高となった。
速報値は62.4、2月は57.9だった。
ただ、サプライチェーンの混乱や、新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)の再導入を受けて、拡大ペースが近く鈍化する可能性もある。
欧州ではロックダウンの再導入でサービス業が特に打撃を受けており、製造業が景気回復のけん引役となっている。
生産指数は63.3で、前月の57.6から上昇。好不況の分かれ目となる50を大幅に上回った。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏の製造業は活況を呈している」と指摘。「特に記録的な拡大を示したドイツが中心だが、改善傾向は他の国全体に広がっている。製造業は内需拡大と輸出ペースの回復で恩恵を受けている」と述べた。
ただ、サプライチェーンの問題を背景に価格は上昇。サプライヤーの納品期間は、調査開始以降で最大の伸びを記録した。サプライチェーンの問題は、スエズ運河の封鎖を受けてさらに深刻化する可能性が高い。
投入価格指数と産出価格指数は過去最高付近。投入価格指数は79.7と、前月の73.9から上昇。10年ぶりの高水準となった。
ウィリアムソン氏は「価格の上昇要因は、ロックダウンからの初期の回復に関連した一時的なものとみられるが、企業のコストと販売価格に対するこれ以上の上昇圧力は歓迎できない」と述べた。
ただ、企業は需要拡大への対応に苦慮しており、人員は急増し、受注残高も積み上がっている。