[ロンドン 24日 ロイター] – ユーロ圏の3月の景況感は、製造業が好調で拡大局面に回復した。ただ、域内で新型コロナウイルスの感染拡大を受けてロックダウン(都市封鎖)が再導入され、ワクチン接種がなかなか進まないことから、4月は再び悪化する可能性もある。
IHSマークイットが発表した3月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.5。前月の48.8から上昇し、好不況の分かれ目となる50を上回り2018年後半以来の高水準となった。ロイター調査による予想中央値の49.1、予想上限の51.0も上回った。
ただチーフ・ビジネス・エコノミストのクリス・ウィリアムソン氏は、コロナ感染拡大やロックダウンを受けて見通しは悪化したと述べた。サービス業については「依然低迷しているが3月は製造業の活況の恩恵もあって指数は改善した」と述べた。
サービス部門PMIは48.8。引き続き節目の50を下回ったが、前月の45.7から上昇し昨年8月以来の高水準となった。予想中央値の46.0も上回った。
投入コストの大幅な上昇で、産出価格指数は48.1から50.8に上昇。サービス企業は約1年ぶりに価格を引き上げた。
製造業PMIは強い需要を背景に57.9から62.4に上昇し1997年6月の調査開始以降、最高水準となった。市場予想は57.7だった。
ドイツ、フランスなどで生産が拡大。生産指数は57.6から63.0の過去最高に上昇した。新規受注指数は57.8から64.2に上昇した。
ワクチン接種による生活正常化への期待も依然高い。総合PMIの将来の生産に関する指数は66.8で、3年ぶり高水準だった前月の67.0からわずかな低下にとどまった。