コロナ禍で急加速!東南アジアのキャッシュレス化
新型コロナウイルス(コロナ)をめぐる今日の東南アジア諸国の状況は、シンガポール、ベトナム、タイなどある程度コロナ抑制に成功した国々と、インドネシア、フィリピン、マレーシアなど一部都市でロックダウンが続き依然苦戦している国々との二極化の様相を呈している。そんななか、シンガポール政府系の巨大投資会社テマセク社が、グーグルおよび米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーと共同で、コロナ禍における東南アジアのデジタルトレンドを分析した「e-Conomy SEA2020」レポートを公開した。資料をもとに、コロナ禍の東南アジアにおけるデジタルトレンドの変化について整理しておきたい。
リテール領域でのデジタル化が顕著に
「e-Conomy SEA2020」の調査対象となったのは、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムの6カ国、総人口5億8300万人の市場である。最初に注目すべきは、2020年の1年間で、新規インターネット人口が4000万人も増加し、総計約4億人のインターネット人口を抱える巨大デジタル市場に成長した点である。ネット人口は、コロナ以前では15年から19年の5年間を費やしてようやく1億人という増加率で、これと比較すると、コロナ禍におけるデジタル人口の増加は顕著である。
デジタルサービスの事業領域ごとの成長率を見ると、
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