セインズベリー、省エネと顧客体験の向上をめざす旗艦店を開発
英国小売大手のセインズベリー(Sainsbury’s)は2月3日、ケント州ヘムステッド・バレーにスーパーマーケット(SM)の旗艦店をオープンした。同店は、セインズベリーが次世代型SMとして新たに開発したフォーマット「フレッシュ・フード・マーケット(Fresh Food Market)」の第1号店だ。
同フォーマットの開発に当たり、セインズベリーは開店から40年以上の既存店を、営業を継続しながら8カ月かけて大規模改装した。その改装費用は数百万ポンド(数億円)に上り、同社が過去20年間に出資した店舗改装費用の中でも屈指の額である。
同店の店舗面積は5800㎡。生鮮食品の売場は市場風のスタイルに変え、鮮度感と季節感を訴求する。出来立て総菜のテイクアウト・カウンターやセルフサービスのベーカリーは売場デザインを刷新。忙しい買物客向けにサンドイッチ類や寿司、飲料などを集積したコーナーやカフェコーナーの内装も一新した。
売場だけでなく、従業員の労働環境向上のための整備も実施した。休憩室は家具を新調し、壁面にデザイン画を描いて落ち着ける空間に仕上げたほか、容易に情報共有できるように連絡事項を伝えるデジタル告知板を設けた。
この新フォーマットではインフラの整備にも力を入れている。2040年までに自社の事業全体で排出する二酸化炭素を実質ゼロにする目標を立てている同社は、冷気が通路に出るのを抑制するエアロフォイル技術を搭載したリーチインの冷蔵・冷凍ケースを採用。これで15%のエネルギーが節約できる見込みだ。そのほか、商品の搬入口の開閉をスピーディにする装置を設置するなど、店舗のあらゆる箇所に省エネの装備を導入することで、年間の電気使用量を15%、ガスの使用量を30%削減できると試算している。
セインズベリーはこの旗艦店が成功すれば、この新フォーマットを拡大する計画である。
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