中国1月PPIは前年比+0.3%、1年ぶり上昇 CPIは低下

ロイター
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北京の卸売市場
2月10日、中国国家統計局が発表した1月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.3%上昇と、1年ぶりに上昇に転じた。北京の卸売市場、2020年11月撮影(2021年 ロイター/Florence Lo)

[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した1月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.3%上昇と、1年ぶりに上昇に転じた。伸び率は2019年5月以来の大きさで工業部門の回復の勢いが増していることを示した。

ロイターがまとめたアナリスト予想は0.4%上昇。12月は0.4%低下していた。

ANZのアナリストは、PPI上昇は原材料価格の上昇が原因と指摘し、向こう数カ月は上昇基調が続くとの見方を示した。

消費者物価指数(CPI)は前年比0.3%低下。アナリストの予想は横ばい。12月は0.2%上昇していた。生産段階のコストが消費者コストを上回るのは2年余りぶり。

キャピタル・エコノミクスのアナリストはリポートで、CPIがマイナスになったのは主に前年の水準が高かったベース効果によると分析し、春節(旧正月)関連の需要により2月は大きく反転する公算が大きいとの見方を示した

CPIは第2・四半期末までに2%程度上昇する可能性が高いとした上で「中国人民銀行(中央銀行)が警戒を強めることはないが、信用リスク管理への注力は正しいと改めて主張するだろう。そのため今年中に政策を引き締めるとみている」と指摘した。

今年の中国経済は8.4%成長となる見通し。ただ、先月から首都北京周辺で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、生産の一時中断に対する懸念が高まっている。

中国は貿易統計や鉱工業生産、小売売上高などの主要指標について、1月分の公表は行わず、3月に1─2月分をまとめて発表する。このため、市場が中国経済の状況を評価する手掛かりは少ないことになる。

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