[ブリュッセル 2日 ロイター] – 欧州連合(EU)統計局が2日発表した第4・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.7%減となり、予想の1.0%減を上回った。ただ、今年第1・四半期はマイナス幅が拡大する恐れがある。
前年比では5.1%減。市場予想は5.4%減だった。
経済規模が域内2位のフランスが前期比1.3%減、同3位のイタリアが同2.0%減となり、全体の減少に寄与。一方、ドイツは同0.1%増、スペインは 同0.4%増と、小幅な上昇を確保した。
コメルツバンクのエコノミスト、クリストフ・ウィール氏は「今年第1・四半期は幾分大きく落ち込むと予想されている。ただ、昨年上半期のように急落せず、春以降は再び明確に回復し始める」と述べた。
エコノミストは、新型コロナウイルス感染拡大抑制策が前回ほど厳しくなかったことに加え、順応が見られたことで、第4・四半期は上半期ほどの大きなマイナス成長には陥らなかったと指摘。INGのエコノミスト、バート・コリン氏は「フランスやスペインなどでは、第4・四半期に建設業などの活動がおおむね継続された。こうしたことがGDPの大きな押し上げ要因になった」と述べた。
2020年通年(調整後速報値)では、域内GDPは6.8%のマイナス。EU加盟27カ国では6.4%減。
EU統計局によると、世界的な金融危機を受けた09年のマイナス4.3%を超え、1995年の統計開始以降で最悪となった。