ウォルマートで米国Eコマース(インターネット通販)部門の社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるマーク・ロア氏が退任することがわかった。同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した報告資料で明らかにした。
ロア氏は1月31日で退任し、9月までは戦略アドバイザーとしてウォルマートに対する助言を続けるという。ウォルマートは店舗とEコマースを一体的に運営するオムニチャネル化を進めており、2月以降はウォルマート米国事業部門トップのジョン・ファーナー氏がEコマース事業と店舗事業の両方を統括する。
ロア氏はEコマース専業のジェット・ドットコムの創業者だが、2016年にウォルマートがジェットを約30億ドルで買収したことに伴い同年9月、ウォルマートの米国Eコマース部門のトップに就任した。
その後、ウォルマートは19年にジェットを完全統合、20年にはジェットのEコマースサイトを閉鎖し、「ウォルマート・ドット・コム」に一本化した。
ジェットの人材やノウハウ、取り扱いブランドなどを取り込んだ効果もあり、ウォルマートのEコマースの売上高は、18年1月期が前期比44%増、19年1月期が40%増、20年1月期が37%増と拡大を続けた。今期は新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要もあり、Eコマース事業の伸びがさらに加速している。