英国のチョコレート市場に大きな影響を与える2つの潮流が起きている。
1つは市場が縮小するリスクであり、もう1つは反対に成長の可能性だ。いずれの傾向も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、より顕著になっている。
縮小リスクとは、英国政府の肥満撲滅政策である。成人の3人に1人が肥満という肥満大国で、肥満が引き起こす健康障害が同国の医療や経済に与える負荷は年々大きくなっているのだ。そうしたことから2018年4月には清涼飲料水に「砂糖税」を導入した。
英国政府は数カ月前から肥満対策の強化に動き出している。肥満の人は、そうではない人と比べてCOVID-19が重症化しやすいといわれているからだ。政府はチョコレートを含めた菓子への「砂糖税」の導入は否定しており、対策としては小売店での陳列や販促に制限を加えるのではないかと予想されている。
この流れを察知して、自発的にレジ前エンドに菓子を置かなくなった小売企業は少なくない。大手チョコレート・メーカーでも、早々に砂糖含有率の低い商品を開発するといった手を打っている。しかし、売れ行きは総じて芳しくない。人々が求めるのはどうやら砂糖たっぷりのチョコレートのようだ。
SMのECに出品する専門店「モンテズマ」
そんななか、売上を伸ばすチョコレート専門店が注目されている。
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。