米ウーバー、4─6月は料理宅配が好調 配車需要なお低迷

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8月6日、米配車大手ウーバー・テクノロジーズが発表した第2・四半期決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で料理宅配サービス事業の需要が倍以上に増加した。キエフで5月撮影(2020年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

6日 ロイター] – 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが発表した第2・四半期決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で料理宅配サービス事業の需要が倍以上に増加した。一方、配車サービスはコロナ禍に記録した最低水準からわずかな回復にとどまった。

同社はこうした課題にもかかわらず、コスト削減や健全なバランスシートにより、2021年末までに調整後ベースで黒字化する目標を維持するとした。

第2・四半期の調整後利払い・税・償却前利益(EBITDA)は8億3700万ドルの赤字だった。

同社株は引け後の時間外取引で2.9%下落。通常取引では4.5%上昇していた。

かつてウーバーの売上高の3分の2近くを占めた配車サービスの利用は4月に記録した最低水準から5%ポイント改善した。ただ、運転手への支払いなどを差し引く前の取扱高(グロスブッキング)は前年比75%減少した。

コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、配車サービスの回復はあらゆる国で新型コロナの感染が抑制されるかどうかに左右されるとし、現時点ではインドを除いてアジアが回復を主導していると指摘。「世界展開していることが、引き続き大きな強みとなっている」と述べた。

香港とニュージーランドでは、配車の予約が新型コロナ感染拡大前の水準を上回ることがあったほか、ドイツ、フランス、スペインでは前年比35%減にまで改善した。

純損益は18億ドルの赤字。これには新型コロナウイルスの影響で第2・四半期に実施した世界全体の23%の人員削減に関連した費用が含まれる。

ウーバーが展開する69カ国のアクティブユーザー数は前年同期の9900万人から5500万人にほぼ半減した。

売上高は前年比29%減の22億4000万ドル。リフィニティブのIBESデータによるアナリストの予想平均(21億8000万ドル)を上回った。

料理宅配サービス「ウーバー・イーツ」の売上高は12億ドルに倍増。多くの人が引き続き自宅で過ごす中、需要が高まった。グロスブッキングは2倍以上に増加した。調整後EBITDAは引き続き赤字となったが、赤字幅は2億3200万ドルと縮小した。

チャイ最高財務責任者(CFO)は同事業について、第3・四半期もほぼ同水準の赤字になる見込みとした。また、数年以内に大半の国で黒字化するとの見方を示した。

コスト削減が利益率の改善につながっているほか、宅配に依存する飲食店が増加しているという。

ウーバーは7月、食料品や日用品宅配への事業拡大を目指し、米食品宅配サービスのポストメイツを26億5000万ドルで買収すると発表している。

一方、配車事業は依然として新型コロナの影響を受けており、最大市場である米国とカナダの売上高は12億5000万ドル減少した。ただ、配車サービスは調整後EBITDAで利益(5000万ドル)を生み出した唯一の部門となった。

ウーバーは、米国では他の地域に比べて業務に復帰する配車の運転手が少ないと指摘した。同社は運転手を従業員ではなく個人事業主として扱っていることを巡りマサチューセッツ州やカリフォルニア州から提訴されている。

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