[ミラノ/パリ 18日 ロイター] – フランスの高級ブランド、シャネルは18日、新型コロナウイルス禍に伴う悪影響が今後少なくとも2年は続くと警告した。また今年の業績は大幅な落ち込みが避けられないとした。
フィリップ・ブロンディオー最高財務責任者(CFO)はロイターとの電話インタビューで、向こう12ー18カ月は特に厳しい状況が続き、各国で営業を再開した店舗の販売が好調でも、海外旅行の不足を補うことはできないと表明。「少なくとも今後18ー24カ月間は外部環境が高級品部門に悪影響を与え続ける見込み」と語った。
年初以降の売り上げが具体的にどの程度落ち込んでいるかについては触れなかった。
シャネルの2019年の既存店売上高は13%増だった。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に伴い、シャネルも他の同業他社と同様に、世界中の店舗と製造拠点の閉鎖に追い込まれた。現時点でグループ内の店舗の85%が営業を再開しているという。
ブロンディオー氏は、中国での売上高が数週間で100%強回復したほか、パリ、ミラノ、ベルリンの各都市で客足が戻りつつあるとしながらも、「こうした底堅い動きは地元客に関係するもので、国際的なビジネスや海外旅行客の不在、それにまだ大部分が閉鎖されている免税部門の穴を埋めるには十分でない」と指摘した。
コンサルタント会社ベインによると、3100億ドル規模を誇る高級品部門は今年、売上高が最大で35%落ち込むと予想されている。
シャネルは長年、閉鎖的かつ個人的な対応こそが顧客の好みだとしてオンライン販売には消極的だが、ブロンディオー氏は、コロナ禍にかかわらず店舗網を中心とした販売戦略にこだわると強調。「われわれは危機があろうとなかろうと、ファッション物や時計、宝飾品をオンラインで販売するつもりはない」と明言した。
ただ、化粧品や香水、アクセサリーなどを販売する高級ブランドメーカーは、電子商取引(eコマース)による当該部門の年初来の売り上げが昨年から6割も伸びているという。