米GDP、第1四半期速報値は4.8%減 4─6月期は最大40%減も

ロイター
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米ニューヨークの街並み
米商務省が29日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比4.8%減と、2008年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。ニューヨークで7日撮影(2020年 ロイター/MIKE SEGAR)

[ワシントン 29日 ロイター] – 米商務省が29日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比4.8%減と、2008年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた一連のロックダウン(都市封鎖)措置によって、3月後半の2週間に経済活動が急停止したことが影響した。

市場予想の中央値は4%減。予想レンジの下限は15%減だった。

2019年第4・四半期は2.1%増だった。

エコノミストは第2・四半期が最大40%のマイナス成長になると予想している。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米国が再開するまで経済は落ち込み続ける」と指摘。多くの州で実施された新型コロナの感染拡大を抑制するロックダウン措置が第1・四半期中は1カ月に満たなかったにもかかわらず、GDPが大幅に減少したことを考慮すると、第2・四半期の落ち込みは予想がつかないとの見方を示した。

商務省の経済分析局(BEA)は、新型コロナのパンデミック(世界的流行)による影響を完全に定量化することはできないが、第1・四半期GDPを一部押し下げたと指摘。3月の外出制限措置が「企業や学校による在宅業務への切り替えや業務停止、消費活動の抑制などにつながり、需要が急速に変化した」とした。

米経済の3分の2以上を占める個人消費は第1・四半期に7.6%減少。減少率は1980年第4・四半期以来の大きさだった。財・サービス両方の需要が急減した。19年第4・四半期は1.8%増だった。

家計の可処分所得は0.5%増と、19年第4・四半期の1.6%増から鈍化。貯蓄率は7.6%から9.6%に上昇した。

輸入は15.3%減少し、減少率は09年第2・四半期以来の大きさ。これが貿易赤字の縮小に寄与し、第1・四半期GDPを1.30%ポイント押し上げた。一方、在庫は163億ドル減少。19年第4・四半期は131億ドル増加していた。

設備投資は8.6%減で、09年第2・四半期以来の減少率を記録。鉱業向けの非住居用建造物や設備に対する投資減少が響き、4四半期連続の減少となった。

住宅市場は第1・四半期に加速したが、勢いは3月に弱まったもよう。政府支出は緩やかに増加した。

PNCファイナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「今後数カ月が米経済にとって極めて難しい期間になり、第2・四半期のGDPは歴史的な減少になる」とした上で、「第3・四半期も買い物や仕事のための行動制限が続いたり、感染が再拡大した場合、景気後退は年内続く恐れがある」と懸念した。

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