米消費者物価、3月は前月比-0.4% 新型コロナで5年ぶり下落率

ロイター
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ワシントンのスーパーの様子
米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数は前月比0.4%下落と、2015年1月以来の大幅なマイナスとなった。ワシントン州シアトルで3月撮影(2019年 ロイター/LINDSEY WASSON)

[ワシントン 10日 ロイター] – 米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%下落と、2015年1月以来の大幅なマイナスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大により一部のモノやサービスの需要が減っており、供給網の混乱による不足に関連した値上がりを相殺している。CPIは今後一段と下落するとみられる。市場予想は0.3%下落だった。

2月は0.1%上昇していた。

3月はガソリンや宿泊、衣料、航空費が値を下げた。前年同月比は1.5%上昇。市場予想は1.6%上昇だった。2月は2.3%上昇した。

労働省によると、3月の集計は新型ウイルスに影響された。対面による調査を3月16日に停止したほか、一部の機関が一時的に閉鎖もしくは稼働を縮小していることから、一時的に集計ができず補完データで算出したものが増えた。多くの指数は通常より標本数が少ないほか、通常公表される指標のいくつかは3月に公表されなかった。

新型ウイルスの感染拡大を抑えるために州や地方政府が厳しい規制を導入する中、飲食店やその他の社交場は打撃を受けている。衣料品店は休業しているほか、一部の製造業も稼働を停止。交通機関も大幅に制限され、こうした中で何百万人もの失業者が出た。

世界経済が深刻な景気後退に陥るとの不安や、サウジアラビアとロシアの価格競争を巡る懸念から、原油価格は急落した。供給網の混乱による物価上昇を相殺するとみられる。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%下落し、10年1月以来初めてマイナスとなった。前月まで2カ月連続で0.2%上昇していた。3月は新車の値下がりが一つの押し下げ要因だった。3月のコア指数の前年同月比は2.1%上昇した。2月は2.4%上昇していた。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は2月に前年同月比1.8%上昇した。1月は1.7%上昇だった。19年は1月から12月まで、目標の2%を下回った。前日に発表された3月の卸売物価指数(PPI)は、コアPCE価格指数に組み入れられる項目の一部が弱含んだことから、エコノミストは物価が3月に減速したとみている。3月のPCEは今月下旬に発表される。

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