中国PPI、3月は5カ月ぶり大幅低下 新型コロナでデフレ圧力強まる

ロイター
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中国のスーパーマーケット
4月10日、中国国家統計局が発表した3月の生産者物価指数(PPI)は、前年比1.5%低下した。写真は中国のスーパーマーケットで3月撮影(2020年 ロイター)

[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した3月の生産者物価指数(PPI)は、前年比1.5%低下した。低下幅は5カ月ぶりの大きさで、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた経済の回復には依然として時間がかかる状況を示す内容となった。

ロイターがまとめたアナリストの予想中央値は1.1%低下、2月は0.4%低下だった。

3月の低下幅は2019年10月(1.6%)以来の大きさ。

中国国家統計局は声明を発表し、PPIの低下について、世界的な石油価格、コモディティー価格の落ち込みが石油、鉄鋼、非鉄金属業界に波及したことによって悪化したと指摘した。

西南証券のアナリスト、ヤン・イエウェイ氏は「供給過剰の問題や原油安の継続でデフレ圧力が強まる。生産サイドの操業再開は、需要回復を上回るペースだ。下流部門の需要の回復は鈍く、依然弱い」と述べた。

主要40業種の調査では、石油・ガス抽出業の価格下落が最も大きく、前年比21.7%下落。前月(0.4%下落)から下げ幅が大幅に拡大した。

中国では、新型コロナの感染拡大を抑制するための厳しい移動制限措置が大部分で解除され、数週間にわたって麻痺(まひ)していた企業活動が徐々に再開されつつある。

アナリストらは、第1・四半期の中国経済が大幅なマイナス成長になると予想している。新型コロナが世界全体に影響をもたらしていることから、2020年全体についても悲観的な見方が強まっている。

新型コロナの感染対策として封鎖措置の導入を余儀なくされた国も多く、これが企業活動を制限し、雇用喪失や収入の減少につながることから、エコノミストや政策当局者の間では、今年の世界経済が大幅なマイナス成長に沈むとの見方が広がっている。

3月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.3%上昇。2019年10月の3.8%上昇以来の低い伸びとなった。ロイターの市場予想は4.8%上昇、2月は5.2%上昇だった。

物流・輸送条件が改善し、政府の価格統制措置も奏功した。

それでも、食品価格は前年比で18%上昇した。とりわけ豚肉は116.4%急騰した。新型コロナの感染拡大で豚肉や野菜など、一部の食品価格が上昇している。

食品を除いたCPIは0.7%上昇。食品とエネルギーを除いたコアCPIは1.2%上昇と比較的抑制された水準を維持したが、2月の1%上昇と比べて伸びがやや加速した。

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