[ハノイ 25日 ロイター] – ベトナム繊維協会は25日、国内の衣料メーカーが第2・四半期から深刻な材料不足に見舞われるとの見通しを示した。新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンが混乱していることが背景。
衣料・繊維製品は、スマートフォン、エレクトロニクスに次ぐベトナム第3位の輸出品目。ベトナムの衣料メーカーは中国製の材料に大きく依存している。
同協会のVu Duc Giang会長はロイターに「国内企業は第1・四半期末までの材料は確保しているが、多くの企業は第2・四半期から深刻な材料不足に見舞われるだろう。中国・日本・韓国の主要取引先からの材料輸入で問題を抱えている」と述べた。
国内衣料産業は材料の50%以上を中国から輸入しているという。
同会長は「コロナウイルスが今年の国内衣料生産にどの程度の影響を及ぼすかは、まだわからない。ただ第1・四半期の衣料生産は前年比で横ばいだろう」と述べた。
同会長によると、一部の衣料メーカーは注文のキャンセルや納品の延期を余儀なくされる見通し。
同会長は「ウイルスの影響を和らげるため、材料の調達先の多様化を目指している」と発言。一部の企業はマスクや防護服の生産を拡大しているという。
通関統計によると、昨年の同国の衣料・繊維輸出は7.8%増の328億5000万ドルだった。