米アマゾン・ドット・コムは2月10日、米大統領選に向けた民主党候補者の予備選挙に出馬しているバーニー・サンダース上院議員から、同社が最低賃金を引き上げたことに対してお祝いの電話があったことを明らかにした。
サンダース上院議員は民主党左派として知られ、過去にはアマゾンを含む米国の大企業を度々批判していた。アマゾンの広報・渉外担当シニア・バイスプレジデントのジェイ・カーニー氏によると、サンダース上院議員は電話での会話で「アマゾンが最低時給を15ドルに引き上げたことにお祝いを述べたい。アマゾンの従業員にとってよいことであり、正しい行いだ。(創業者で最高経営責任者の)ジェフ・ベゾスに私からの謝意を伝えてほしい」と述べたという。
アマゾンは2018年11月、米国内の従業員の最低時給を15ドルに引き上げた。同社の配送センターなどで働くパートタイマーや季節従業員を含む25万人以上が賃金引き上げの対象となった。アマゾンでは、「当社は米国40州で50万人の従業員を抱えており、この規模の企業が賃金を引き上げることで、競合他社は同様の措置を取らないと従業員を失うというプレッシャーを感じるだろう」としている。
アマゾンは国内物流インフラなどの整備や従業員の報酬として18年だけ720億ドル、10〜18年の累計で2700億ドル以上を投じており、米国経済に大きく貢献していると同社は強調している。
アマゾンには配送センターで働く従業員に対して、スキル向上や資格取得のための学習費用の最大95%を会社が負担する「キャリア・チョイス(Career Choice)」というプログラムがあり、プログラム修了後はアマゾン社内または他社で年収が2〜3倍の職を得られるとしている。
アマゾンではこうした従業員教育に25年までに7億ドルを投じる計画だ。